歪曲の果肉
Next Stage
ウミネコを抱きかかえ、階下に降りる。
チェコフが引き継ぎ、ウミネコを部屋に寝かせた。僕は付いてあげたかったが戦いが終わった後は、メイドに触れる事も部屋に入る事も禁止だと言う。
「ごー主人さまー」
と猫耳のメイドが、物凄い猫撫で声を出しながら現れた。
アヒル口を通り越した猫口に八重歯がある。眼鏡は度というか、そもそもレンズが入っていない。
肉球のついた大きな手袋を顔の横で動かしている。異様なまでのアニメキャラだ。現実世界でも滅多にお目にかからない。
だが……、可愛い。
「ミーの事もお願いするにゃん」
と言って腰の辺りをさすってくる。
う……、とやや前傾姿勢のまま固まる。
「あ、こら。触っちゃいけないんだぞっ」
と風華が抗議するが、
「ええ~? ミーは触ってませんよ~?」
と肉球を顔の横でふにふにしている。
「ずるいぞっ。それならあたしもっ」
と短剣を僕の腰めがけて突き出す。
「わあっ、バカっ!」
とさすがに避ける。
「ご主人サマ。次はワタシネ。鈴々選ぶとイイ事アルヨ」
「わたしのスイーツはー。お嫌いですかぁ?」
アルカは隅っこで動かない。
チェコフが戻り、書状を見せる。
「ウミネコは……、まだ動けないよね」
「いえ、大丈夫ですよ。すぐ動けるようになります」
新しい猫メイドを見る。相変わらず肉球を動かして愛想を振りまいているが、その動きに合わせて揺れる巨大なモノから目が離せない。
「いや! ウミネコには休んでもらいたい。結構な怪我をさせてしまったしね。体は大丈夫でも、負担をかけたくないんだ!」
ウミネコの部屋まで聞こえるような大声で言う。
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