質問
待ち合わせの時間に十分ほど遅れた空は、罪悪感からか普段より少し距離をとって座っていた。
会話も所々噛み合わないところもあり、小さな疑問が浮かんだ。
「空、この前のキズは大丈夫?」
なるべく触れないようにしていた話題を、空に聞いた。
「キズ?」
一月前の出来事だというのに、空は質問を投げ返してきた。
「この前、そこで足きったじゃないか。長ズボンなのはそのためだろ」
空は冗談のつもりで質問したのかもと、僕は微笑しながら、長ズボンで隠れた足を指差した。
この言葉に空の顔から血の気が引いた。
空は僕を突き飛ばして、小屋から去っていった。そして、死んだ。
あの時は覗いてはならない空の心に触れた気がした。後悔したが、それはもう戻ることのない後悔だった。
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