怪獣列島
るーいん
第0話 オレの出番だ!
世界は滅亡した。
突如現れた脅威”怪獣”たちによって滅ぼされたのだ。
怪獣。まぁ、なんというか、あれだ。特撮映画に出てくる馬鹿でかい獣とか、未確認動物(UMA)――ネッシーとか雪男とか、そんなやつらが現実に現れて、ありとあらゆる破壊活動を繰り返したのだ。
もちろん、人間たちも抵抗した。ありとあらゆる兵器を用いて。しかし、怪獣たちには通用しなかった。ついには核なんてものも使用したが、それは逆効果だった。一部には効果があったが、生き残った連中の中には核を喰らって活性化するものもいたし、進化したやつらもいた。
もはや手のつけられない状況。人類に成す術なし。逃げ惑うしかなかった。といっても、逃げ場なんてなかった。どこにいっても、怪獣たちはいた。地下にも空にも、宇宙にも。とにかく次から次に湧き出してきた。いったい、こんな連中がこれまでどこに潜んでいたというのか。生物の突然変異か、それともイカれた科学者が創り出した生物兵器なのか。そんなことを考えている余裕は誰にもなかったわけで。
幸いなことに、といってもすでに幸いな状況ではないのだが、人間は怪獣たちの餌になることはあまりなかった。小型から中型の怪獣たちは人間を襲うことはあるが、大抵そいつらは大型の怪獣の餌となっていた。また、大型の怪獣は群れることがなかった。己が最強といわんばかりに、大型の怪獣は、他の怪獣をみかけると喧嘩をふっかけていた。
とにかく、好き勝手に暴れまわる怪獣たち。無法地帯。もはや地球そのものが崩壊を迎えようとしていた。
そんな絶望の中、立ち上がる英雄――ヒーローたちがいた。この時を待ちわびていたかのように、彼らは意気揚々と現れたのだ。
「きたきたきたきたキタぁぁぁーーーーっ!!」
大地が割れんばかりの……いや、本当に割れていた。大地を割る大声とともに、大爆発が巻き起こった。
オオトカゲのような怪獣が、爆発した方向を向く。その直後。
「ダイナマイト・パーーンチ!!」
なんとも安直なネーミングな技名を叫びながら、謎の人影が飛ぶ。瞬間。オオトカゲの身体が宙を浮く。ちなみにそのオオトカゲの体長は、尻尾を含めておよそ30メートル。体重は何十トンか。その身体が空まで吹き飛んでいく。
そして、爆散。豪快な爆発。汚ねぇ花火だ。
「ずいぶんと好き勝手やってくれたな、怪獣どもめ! オレが来たからにはもう好きにさせねぇぞ!!」
「オレ”たち”ね」
彼らが怪獣はこびる大地に降り立つ。
彼らはいったい、何者なのか? 興味を持つ人間たちはここにはいない。怪獣を倒す力をもった彼らを賞賛する人間たちはここにはいない。だが、彼らにはそんなことはどうでもよかった。彼らは自分たちの力を試したくてうずうずしていたのだ。
「待たせたな、怪獣ども。オレの出番だ!」
身長およそ170センチメートル。体重およそ65キロ。全身を歓喜に震わせた青年が、雄たけびをあげた。
怪獣たちも怒りの咆哮をあげた。
人類VS怪獣の火蓋が切って落とされるのであった。ちなみに火蓋を切って落とされるという日本語は間違っているのだが、あえてである!!
つづく???
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