第35話

「デート」


 日時や場所を定めて異性と会うこと。あいびき。(広辞苑より)


 要はいちゃいちゃするやつですよ。ハイ。

 フリとはいえ、"彼女"ができた僕は、少し浮き足立っていたようで、ついにそんなことまで考えるようになった――


 こんなことを考えながら、一人で浸かる風呂は最高だなぁ……


 *


 のぼせた。今年二度目だ。学習能力のない猿以下の人間だ、ということがよく分かった……


「俺は、おれは武装探偵キャリーを見ないといけないんだ」

 と、うわ言のように呟きながら床を這う。


 なんか既視感のある光景だな……


 *


 水分を補給し、だいぶ思考がクリアになる。

 ……っと、そろそろ始まってしまう。テレビつけなきゃ。


 *


 今日も面白かったな……

 じゃなくて!明日の計画!


 こういう所が計画性のない、流されて生きている人間、という感じがする。

 とりあえずこないだのショッピングモールでいいや……と半分投げやりになりながら、価格jpで売れ筋を検索する――


 実店舗だから割引も上手くしてくれるといいなぁ。


 *


 明日の着ていく服はどうしようか……

 さすがに黒統一とかチェックのオタクファッションはダメだろう。というか前回それに落ち着いたが、春香ちゃんのコーディネートがすごい可愛かったので"彼氏"として、あまり足は引っ張りたくない――


 まあ、今までやってこなかったことだから仕方ないのだけど。

 できるだけ努力してみるか……


 *


 ――寝れない。


 ドキドキというか不安でいっぱいだ。

 でも、不快なわけでもない。不思議な感覚だ。


 とか考えていたら、まぶたが重くなってきた……明日は上手くいくといいな……


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