イタズラNo.2ー実験の前座ー

今回も坂田が議長となり切り出す

「さて、では黒板消し落としの実験をしましょうか」

「おうよ」

「...で、なぜ俺を見る」

「もう毎回この下りをやる必要性も感じないから素直に実験台になろうか大野君よ」

「ちくしょう!少しは労れよ!」

「なに、今回は大した被害はない!...多分」

「おいこらテメェ最後にちっちゃくなに付け加えた」

「多分と付け加えた」

坂田(キメ顔)がいう

「いい顔していうんじゃねえよ。多分てどういうことだゴルァ」

「よく聞け大野!」

「どうした」

「多分とは多い分と書く。すなわち分が多い、確率論としては90%位だ。つまり多分大丈夫とは90%大丈夫ということだ。これはわかるな」

「確かに字面はそうかもしれんが、現代日本において多分というのは自信がないから90%大丈夫だけど10%引いたらドンマイ、つまり失敗しそうですという意味でよく使われるんだよ!まさしくさっきのお前の多分はそういう意味だー!」

「な、なんだってー!」

「なぜお前が驚く!?どう考えても分かって使っただろ!」

「お前にそんなことがわかる頭があったとは...!」

「それは喧嘩売ってんのか?売ってんだな!ちょっと表でろやゴルァ」

「これはなんの漫才だよ、おい」

「「んな!松本に諭されるとは...一生の不覚だ」」

「それは喧嘩売ってんのか?売ってんだな!ちょっと表でろやゴルァ」

「おまえそんなこと言われた位で喧嘩吹っ掛けてたらきりがないぞ」

「今さっき全く同じ台詞はいてたやローがよくいうなコラ」

「お前がさっきのことを覚えている...だと...!」

「喧嘩売ってんのか?売ってんだな!ちょっと二人とも表でろやゴルァ」


話がそれてきたので坂田が軌道修正しようとする

「話し合いが進まなーい」

「今そんなことは」

「どうでもよかと!?」

にもかかわらず自ら話を空しに行くアホが一人。坂田である。

「なんで急に方言が入ったー!?」

「細かいこと気にしたら負けだっぺさー」

「なぜかたくなに言葉ボケを繰り返す!?そしておまえちょっとバカにしてるだろ!」

「本気でバカにしてたらボケに使わないと思うんだ。そうそれは俺の哲学だ」

「哲学の意味を辞書で引いてから出直してきやがれ!あとキメ顔してんじゃねぇぇぇ!」

「きょうのにっき。きょうもおおのくんとさかたくんはらぶらぶでした!...ってあれぇぇぇ!?何で二人とも無言で引きずってるのかなぁー!?これ明らかに表でろやゴルァのパターンでしょーがー!」

「仏の顔も三度まで」

「個人通算ではまだ誰も三回も使ってないと思います!」

「字面に起こして三回使ってるから十分なんだよコノヤロー」

「まさかの字面でカウントー!」

「よし決まりだ今回の生け贄はお前だ松本」

「せめて実験台って言おう!生け贄ってなに!?俺殺されんの!?」

「殺されるようなことをした自覚は?」

「全く身に覚えがありません」

「罪の意識もなしか。これはもう生け贄だ」

「すいません今日もラブラブのところですよね。あっははーぼくったらなんで忘れてたんだろーなー!」

「よし、遂に認めたな。生け贄だ」

「まさかのどう分岐しても待つのは死のみ!」


暴れる松本に坂田がいう


「なーに多分メイビーおそらくプロバブリーきっともしかしたら大丈夫だ!」

「俺の生存率がどんどん下がってくー!」

「なぁーにそう気にするな。さぁいくぞー」

「たっけて神様ー!」

「神は死んだ。」

「いったいあなたはどこの哲学者で!?」

「大丈夫だって。生物学的に死ぬ訳じゃないんだから」

「そりゃそこまでいきゃ立派な犯罪だよ!そーじやなくてかなり悪質な仕掛けをされてクラス内で社会的に死にそうですっつてんの!」

「きょうもらぶらぶでしたとかいって俺らをクラス内でそーゆー目で見られるようにしたのはどこのどいつだ」

「そこまでの意図はありませんでしたよ!?」

「というまにもう廊下だぞー」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「さて、俺達は準備するからお前は待ってろ」

「え、ちょ、ほんとに俺...」

「「あ?」」

「はーい。ヽ( ・∀・)ノ待っときまーす。でもあんまり悪質なのはやめてね!」


そういいつつも松本はそこまでの悪質行為はないだろうと予想していた。というのもチョークの粉が却下された理由がまさしくあまりに悪質で後処理が面倒ということだったからだ。

そういうわけでおとなしく待つことにする松本。


一方残りの二人。

「さて、やつにはどんな目にあってもらおうかなー」

「はつむはっはっー。とびきりのを考えてやるぜ」


...こうして松本予想かつ期待は裏切られるのだった。

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