世界一の焼肉を求めて突然変異の世界で
志木 美話
事の発端
世界変異まであと3日
プロローグ
「腹・・・減ったぁ~~」
コンクリート舗装の建築途中オフィスの一階。ヘルメットをかぶった作業員らしき
人たちは、それぞれいったん休憩という雰囲気を醸し出している。
そんななか、コンクリートの上に両手を置き、鉄骨が並んだ二階部分に当たるところの
隙間から見える、青空に向かい、情けない声で己の欲望を口に出す
俺。
頼む!誰か俺に食料恵んで!し、死活問題だから!これ冗談じゃないから!
朝ご飯は寝坊で食えず。飯を買うにも金がない。
いやいやみんな聞いてくれ。おれは元ひきこもりニートだ。ずっと部屋でゲーム。
ドラゴンをぶっ飛ばす仕事をしていた。しかしある日、ドラゴン級の憤怒をみせたわが母親
が、働かないなら出てけ!ぽいっ。的な感じで俺を家から追い出したわけだが。
まぁさすがに必要最低限のお金や服などは受け取ったが。あ、履歴書も受け取ったなぁ・・・
それで、特に今まで働かなかった俺がここにいる。小張建設という会社だ。特に制限
なく、こんな俺でもすんなりとはいったわけだが、なかなか大変だ。ましてや今まで社会の闇
を体験したことのない俺だぞ。殺す気か。毎日とんてんかんとんてんかん。たまにぐきり。
ハードすぎるぜ・・・。今月から始めたわけで、給料はまだだ。先取りでくれないだろうか。
という流れだ。今は親の金で借りているワンルーム、風呂、トイレ、キッチン付きのアパート
で暮らしている。特に不自由ないが、強いて言うなら、ゲーム、スマホ、テレビなし。
全部実家に置いてきた。というかとってこれなかった。あの鬼母がそんなの許すはずがない。
そんなわけであきらめて働いているのだ。いやこれでも俺中学時代はもててたし、成績も
よかったんだよ。運動もできて、茨城のサッカー大会的なのでチーム総合3位いったんだよ。
もちろんスタメンだったし。なんというかあの頃の俺は、将来自分が大富豪の偉い人になるとでも
思っていたのだろうか。本当に今の俺が情けない。過去の自分に期待させてしまったことを
あやまりたい。ごめんね。そんなイケイケだった俺がなぜこうなったかって?まあいろいろあったん
だよ。とにかく今の俺はダメ野郎である知識といえばネットで興味持って調べたサバイバル術だけ。
まぁそのサバイバル術も実践したことがないんだけどね。あるじゃん。やりはしないけど知りたい
ってやつ。あるよね!?虫とか食べたり、食べられるキノコの見極め方だったり。そんなのばっかり
調べてた時期があったからさ。とにかく今の俺は、サバイバルにあこがれる純粋な26歳なんだよ。
まあそこに元ひきこもりニートの称号を入れるとなんかダメになるけど・・・。
今言いたいことは一つ!
「まじで・・・腹・・・へっ・・・た・・・へぅ。」
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