ナイフ

何も傷つけないようにと

そっと俺に触れてくる君

何も傷つけないようには

何も要らないと同じこと

大切にしたいからってさ

どうせ君の一番になんて

俺は、なれっこないのに


分かったような顔するな

俺の一番欲しいものさえ

知ろうともしないくせに


さあ、俺を捨てていけよ

ナイフで切り裂くように

残酷なくらい冷たい目で


二度と会おうとするなよ

二度と会いたいと思うな


そうでなければいっそう


俺のすべてを奪っていけ


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