第11話 第二部 お食事会

 第二部は、お食事が用意されていました。

 後ろの壁が取っ払われ、机を置き直して立食パーティになりました。


 廊下に行って、机の上に用意してあったペットボトルと缶ジュースから好きな飲み物を選びました。私は小さなペットボトルの午後ティーをいただきました。


 飲み物をいただいて、中に戻って食事をしました。

 美味しかったのですが、食べた気がしませんでした。


「けっこう有名なケータリングのお店で注文したので、食べてください」

 すみません、それを聞いても、食べれません。


 なんとなく、ガツガツという気分ではありませんでした。

 最近、食事もせずに書いていることが多く、食が細くなっているもので。


 それに、知らない人ばっかりのところで、緊張していることもありました。

 けれど、周囲を見回すと、いくつかのグループができていました。


 当選者のみの会のはずなので、知り合い同士で来ている可能性は低いと思っていたのですが、多い所は5~6人ほどいらっしゃったように思います。


 1時間で仲良くなったのか、それにしては、親し気にお話しています。

『もしかして、これが、クラスター?』


 聞けません。

 シャイでございます。


 お友達同士で豪勢に盛り上がっているところに「あの~」なんて行けません。

 しかも私、なろうでもカクヨムでもあんまり書いてないんです。話せるネタを持っていません。

『異世界転生、どうせクソだろ?』と思っているので、なろうで書くことなど想定していません。


 それに、三人掛けの机2個分にごちそうが並んでいて、そこで食べていたのですが、その机にいらっしゃったのは、全て男性だったんです。


 女性向け恋愛ベースの私、完全に場違いです。

 そこにいる方々、女性向けを書いている顔に見えません。


 でも、話しかけてくださる人がいらっしゃいました。

 けど、話しが続かない……。


 ただ、その方に教えていただいたことで、『カクヨムさんに書いてみようかな?』と思いました。


—— ユーザーが多いのはなろう。カクヨムはその次。

  なろうは異世界が多いけど、カクヨムはそれ以外のファンタジーも大丈夫。


『でも、ファンタジーなのね』とは思いましたが、希望の光が見えたような気がしました。


 第一部で「十代・二十代の男性向けのお話を書いてください」とうかがったときは、『逃げたい……』と思いましたが、その方のお言葉で、カクヨムさんに何かが引っかかったような気がしました。


 第一部は、ファンタジア文庫向けに書いた場合ということだし、短編で恋愛を募集しているということは、弱いジャンルを強化したいという考えがあるのではないかと思いました。


 たしかになろうの受け皿なのかもしれないけれど、なろうで強いジャンル以外を強化させようとしているのなら、そこに入り込む余地があるのではないか。


 ただ、問題はクラスターです。

 もしも、本当に仲間内で★を付け合っているのなら、新参者が入る隙はありません。


 読者さんもいなくて、仲間もいないのなら、本当に孤独に書くだけになります。

 読まずに★をつけるなんて、私にはできません。面白くもないのに★をつけるなんてできません。面白かったらつけますが。


 ただ、comicoさんで書くの、かなり辛くなってきています。

 何かわからないのですが、違和感を感じています。


 人が減ってきているような……。

 ストリエさん閉鎖の時と、似ているような雰囲気。


 船が沈むとき、まずネズミが逃げ出すというのを聞いたことがあります。

 それです。




◇◇◇




 大好きなチョコレートケーキを食べていた時だと思います。

 前方の机に、愛くるしいあの生き物が……。


 そう、カクヨムさんのマスコットキャラクター、トリさん(仮)が……。

 女性のスタッフさんが、トリさん(仮)を持って、いらっしゃいました。


—— また……、会えたね。

 まさしくそんな気分です。



 カクヨムさんは、白い画面に文字というイメージでした。

 文字ばかりというイメージで、そのようなマスコットキャラクターがいるとは知りませんでした。


 なぜ、私がこんな愛らしい生き物(生きてません)を見過ごしていたのだろうと、ホントに後悔の念にかられました。

 前方でトリさん(仮)の撮影会がはじまったので、大好きなチョコレートケーキをほおばり、スマホを手に行きました。


 近くで見ると、なおのこと愛くるしかったです。

 茶色いボディのポッコリお腹、つぶらな瞳。チャックのようなラインの上にある、引き手のようなブルーのアクセント。それはまるで、チャックを開けると不思議の国へ行けるかのような錯覚に陥りました。


「さ……、さ……、触っても、いいですか?」

 呼吸困難になりそうになりながら、スタッフのお姉さんに聞きました。


「どうぞ」

 にっこりとおっしゃいました。

 前にいた人が去るのを待ち、そっとそっと触りました。


 きゅむきゅむ固い感じがいい……。


—— 売っていたら、買いたいです……TT^TT


 嗚呼、でも、このサイズならきっと6800円くらいするのだろう。

 いやいや、一点ものとかだろうから、もっともっと高いだろう。


 15000円くらい?

 試作品とかなら、45000円とかありそう……。


 量販されたとしても、手に届くのは450円くらいの手のひらサイズでしょう。

 それだとこの愛くるしさが表現できないように思いました。


 かわいい……。

 もんのんすんごく、かわいい……。


 どうしてこのように愛らしいものが存在するんだというほどに愛らしかったです。

 きっと、ぬいぐるみ作家の人が、丹精込めて作ったのでしょう。


 ホントにホントに、信じられないくらいにかわいかったです。


—— トリさん(仮)にお目にかかれて、触ることができて、お写真をGETできただけで、来た甲斐かいがありました!!!


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