籠宮

人は、一人じゃないだなんて嘘。

僕はいつだって一人だよ。


始めから、

誰にも何も、

頼らないで生きればいい。

そうすれば、

期待もしないし、

裏切られたとしても傷付かないし、

失うものもないだろうし、

泣くこともないだろう。


最初から何も無かったと思えばいいだなんて、

そんなのは逃げに聞こえるだろうか。


他の誰かがどんなに強く僕を求めたとしても、

君が求めてくれなきゃ意味がない。

だから、

何度でも言うよ。

僕は君じゃなきゃ駄目なんだ。

君が笑ってくれなきゃ、駄目なんだ。


だけど僕はまた、

いつものように強がってしまう。


大丈夫

大丈夫だから、

こんな態度をとったら駄目なんだ。

普段通りを装って、

君が何も気付かないように。

しなければ。

そうしなければ。


だからまた僕は笑う。

何でもない顔をして、笑うんだ。

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