日常が詩化。
アビ太郎。
雨の日
夜に部屋の中で雨の音を聞く。
安全な位置から、聞くことは好き。
もしこれが外にいて雨に打たれているとしたら、不快感しかない。
雨は記憶を遡らせる。
まだ幼かった頃。そう、小学校低学年の時代だろうか。
祖母と和室で寝ていた。
私は、山間の小さな町に住んでいた。
雨が頻繁に降り、よく雨音を聞きながら眠りについていた。
翌朝も雨は続いていた。
タンスの上で、飼い猫が網戸越しに外の様子を観察している。
庭の木にの陰で、雨宿りをする小鳥を見つめ、口を震わせていた。
それをただ、私はボンヤリと眺めながら布団にくるまっていたのだった。
懐かしく遠い記憶。
帰りたいと思うことはないが、あのノスタルジックな景色と日常にはもう出会えない淋しさみたいなものは、何処か感じてしまう。
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