第32話 校外学習Ⅳ
集合場所の日生中央駅、到着!
日生中央駅は、田舎の駅にしては立派に造られており、さびれた感じがしない。特に、日生中央駅を際立たせているシンボル的な存在として、駅の広場には時計塔が建てられている。この時計塔の鐘が、あるきまった時刻になると何とも美しい音色を奏でるのだ――俺の地元お気に入りスポットの一つである。
そんな日生中央駅の広場には、俺たちの他にも生徒がぼちぼち集まっている。
そんな中に見知った顔が一人いる――彼女は生徒ではないが。
向こうもこちらに気づいたようで、やってくる。
「この間は、お世話になったね」
吹奏楽部顧問の雨宮先生だ。
「あの出来事があってから、フルートを始めとして、みんなのやる気が上がったり、団結力も深まったんじゃないかと感じているわ――本当にありがとう」
何か私でも力になれそうなことがあれば、相談してね。これでも先生だから――そう言って微笑みながら、先生はもといた場所に戻っていった。
集合時刻の九時を告げる鐘が、広場に鳴り響いた。
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