第30話 校外学習Ⅱ

 翌朝、約束通り、晴人が家に迎えに来た。

「おはよう! 今日もいい天気だね!」

 ……朝からテンションが高い……ついていけない。

「……昨日は、雨だったけどな」

「さあ、これで全員揃ったね。行こうか! 校外学習へ!」

 俺の言葉はスルーされた。

 ん? 何か引っかかる言葉があったような――。

「おっはよーう! 春樹」

「おはようございます」

 扉の影から、秋月と冬川が飛び出してきた。

「……どうしてこいつらが」

 朝ということもあり、頭が全然追いつかない。

「もちろん、僕が呼んだからさ。春樹を迎えに行こうってね。どう? 朝から女の子二人に起こしに来てもらえて?」

 冗談交じりの声を出す晴人。

「……ちょっと玄関に上がって待っててくれ。五分ほどで準備する」

 晴人をスルーして、二人には玄関に上がってもらう。晴人も当たり前のように玄関に上がって、俺を待つつもりのようだ。

「……髪、整えていてよかった」

 そう独りごちて、俺は部屋に学校かばんを取りに行った。

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