2日目 学級転移!
〜前回のあらすじ〜
・朝起きたら教室に居た!
・服装がパジャマだった!
・女体化した!
↓↓↓ 本編 ↓↓↓
「……」
目の前に広がる光景に絶句する。
遥か遠くまで広がる木々。
青く輝く大空。
光反射して美しく輝く湖。
取り敢えず、扉を閉めた。…………どうなってんだこれは。まるで異世界の様な光景に唯々見つめることしか出来ない。
「……」
…………女体化も起こってるし、なんとなく想像はしていたが。まさか本当にこんな非現実的な事が起こるとはな……。
その後数分、只管考察を続けていると、出席番号9番、爽風 桜華(さわかぜ おうか)の席に光が灯された。
「…………お……は……よう、お母さ────って、え!?」
目が覚めた様子の爽風。自室じゃなかったことに驚いたのか、それとも俺が目の前に居たことに驚いたのか、どちらかは分からないがとにかく目を見開いて固まった。
「えっと……爽風? おーい、聞こえますかー?」
完全にフリーズ状態の様だ。目の前で手を振っても微動だにしない。
「ん……と、おはよう?」
「まだ寝惚けてんのか」
「別にいいでしょ。朝は弱いのよ」
「そうか」
「「…………」」
くっ……二人だと会話が続かない……! ちょっと話題を変えてみるか。
「と、ところでさ、俺の姿見てなんも思わないのか?」
「貴方の、姿……? 黒くて艶のあるセミロングの髪に────って、え!?」
「気付いてなかったのかよ」
まじで寝惚けている。今ので目が覚めているといいけど。
やっと思考が安定した爽風は、俺に問いをかけた。
「なんで女性になっているのかしら? その……胸も大きくなっているようだし」
「へ?」
「へ?って……自分の体をよく見てみなさいよ」
そう言われて自分の体を見る。目線を下に向けて、そこに飛び込んだのは…………
「で、でかい……」
「自分で言っちゃおしまいでしょうに……」
まぁその通りなんだけども。俺の胸は大体DカップからEカップくらいあった。となればやはり次に手がいくのはやっぱり────
「…………な、ない……」
「どんまい」
項垂れる俺を見て爽風がぽんと肩に手を置く。なんか話題転換しても精神面が削れていくだけだからもっと違う話にしようかな、と思ったその時だった。
「おっはようじょっ!!────って此処何処?」
軽快な挨拶と共に起き上がったのは、出席番号18番、星河 深華瑠(ほしがわ みはる)だ。
「およ?桜華ちゃんおっはー! ……えーっと、其処のお嬢ちゃんはどちら様で?」
「星河さん、こちらの女の子は雲風 魔姫(くもかぜ まき)さんよ」
「女の子じゃないから!」
雲風 魔姫っていうのは正真正銘俺の名前だ。あんまり気になってはいなかったけど、女体化までしちゃった今、紛らわしすぎて嫌になるな。
「魔姫……? あぁ! 思い出した! いつも教室の隅で蹲ってt────」
「やめろぉぉぉぉおお!!」
とても自分のものとは思えない声が出た。悪いのか!? 女子しか居ないクラスの中で孤立しちゃうのは悪いのか!?
「し、仕方ないだろ。女子と話した事なんて殆どないんだから…………」
「魔姫ちゃん可愛い〜っ」
「ちゃんで呼ぶな!!」
その後も次々と席に光が灯され、その度に俺はからかわれるのだった。…………なんだろう泣きたい。
「さて、皆さん揃ったようですので、まずは状況を整理しましょう」
教卓の前に立ち、話を始めたのは出席番号19番、学級委員長の真中(まなか)さんだ。下の名前は…………覚えてない。
委員長がすらすらと黒板に起こっている状況を箇条書きにしていく。書いてある内容はこんなもの。
・朝起きたら教室に居た!
・外がまるで異世界の様な感じになってた!
・魔姫君が魔姫ちゃんになった!
「最後の書かなくてもいいよね!?」
思わず席を立ってしまった。
「まぁまぁ、気にしてはいけませんよ。実際起こっていることですから」
「くっ……言い返せない…………」
もう書かれちゃったものは書かれちゃったもので書かれちゃったものとしておこう。
…………何言ってんの俺。
「さぁ、それでは24人も居ることですし、周りの散策に行きましょうか。但し危ないので四人一組で行動する事と、何故か皆さんのロッカーに入っている武器を持っていきましょう」
「「「はーい!」」」
……お前等は小学生かっ!!
因みにロッカーに入っている武器は人それぞれとなっている。俺は浅葱色の剣だった。
ん? 今気付いたけど俺、誰と行動すればいいんだろ。
────あ、俺友達居なかったわ(\(^o^)/)
開始早々絶望の二文字が踊る魔姫だった。
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