第1部
本づくりの現場を語る
●プレゼンター
有森聡史(ファンタジア文庫)さん
森井巧(カドカワBOOKS統括編集部)さん
●概要
基本、森井さんが聞き手、有森さんが語り手の形でスタート。
以下、あくまで私が皆さんに伝えた方が良い点を私の理解でまとめた内容です(私の意見は入っていません)。
・ファンタジア文庫の主人公は10代後半、今までの歴史的な系統を守って出版。
・ウェブ小説は、読者がついているのがポイント。そこから人気作品を図ることができ、それにより似てきてしまう今までの作り方と、違う方向性を見いだせる。今までの作り方だと、どうしてもブームがあり被りやすい。
・表紙という狭いスペースに表現できるデザインとして、白地に白抜きタイトルが最適解(サンプルとして挙げられた中で、異世界取材記はデザイン的に冒険している)。
・タイトルで惹かれるのはウェブ小説も書店で並んでいる本も一緒。そこからおもしろさを語る。
・面白さは一言で説明できる強みを持つこと。「どこが面白いの?」と聞かれた時に、簡潔に説明し、それだけで相手に「読んでみたい」と思わす要素があるべき。
・おいしいところをジャンジャンだしてくれた方が好み。少なくとも10万文字(本一冊分)の中に詰めこんで欲しい。
・ライトノベルは山あり谷あり(伏線張りまくり等)よりも、上り坂(簡潔に次々とイベントが起きて面白さがわかりやすくインフレを起こすタイプ)の方がいい。やはり本になれていない人向け。気持ちいいことをどんどん提供する。その手の作品の方がヒットしている。
・本にする時は、どうせ改稿するのでウェブ小説にあった展開や書き方(改行の使い方等を含め)にした方がよいと考えている。
・声をかけて3ヶ月から半年で書籍化。
・重版がかかるかどうかは、初速判断。1~2週間で五割は必要。じわじわと売れる売れ方もあるが、やはり勢いが大事。
・ライトノベルはメディアミックスやりやすいが、アニメ化の数字的基準というものは特にない。内容的に映像に向いているかどうか等を判断する。
・読者を絞るべきと考える。より多くの読者を捕まえようとすると個性がなくなったり凡庸になりがち。読んで欲しい読者層を想定し、そこに向けて書かれたユニークな作品の方が魅力があることが多い。
・カクヨムは黎明期。分析して書くだけではなく、尖った物にも挑戦して欲しい。
・お薦めラブコメは、モンモンの形態変化。過去はビフォア恋人形態、現在はアフター恋人形態。そこにさらに独自の要素を入れ、テンプレートの上を行く。
・電子書籍もあるが、まだまだ紙ベースで本屋に並ぶ本も大事。並べられることによる宣伝効果も高い。
●質問コーナー
いくつか出ていましたが、個人的にピンと来るものがなかったので割愛します。
他の方のレポを参考になさってください。
●感想
だいたい皆さんが感じていることと同じような話でしたが、電子書籍と物理書籍との重要性バランスに関しては、個人的に乖離がありました。物理書籍は残るとは思いますが、これから加速度的に減っていくでしょう。書店の役割という物も変わっていくのではないかと考えています。その移り変わりの速度という物に関する感覚は違うのかもしれません。
ライトノベル、特にウェブ小説は私も他のエッセイで語りましたが、基本的にフルコースの料理ではなく、牛丼タイプです。前菜からゆっくりなど楽しんでもらえず、とにかくお客さんはいきなりメインディッシュが来ることを望んでいます。
「右肩上がりの上り坂」というのは、あまり大きな山あり谷ありはなく、つまり途中にお新香やみそ汁を挟む程度で、牛丼をすぐに楽しんでもらおうという小説を言っているのだろうなと感じました。
またウェブの宣伝広告にも同じようなことが言えるのかなと思ったのは、表紙のデザインでした。これからTwitter画像を作る時に意識してみようかなと思いました。
全部で1時間。
正直、全体2時間の構成から考えると長すぎではないかと思いました。
そのために第2部がスカスカな感じになっていました。
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