私のヒーローだった人

秋許環

プロローグ

小さい時私には、





大好きだった、






憧れだった、






叔父がいた。






いつも笑顔で






明るかった叔父。






大好きだった。






私のヒーローだった。






私もあんなふうになりたかった。






そう思っていたのは私が10歳だった






6年前までだ。






私が10歳の頃叔父は






交通事故で死んだ。






車にひかれそうだった男の子を助けようとして






代わりに叔父が跳ねられて死んだ






叔父のお葬式の時






私の中にある考えが出来た






『夢なんて叶いっこない






夢なんて持つだけ無駄だ






現に叔父は夢を持っても






ただただ死んでいった』






『なら夢なんて持つ必要なんて』






『ない』


















それ以来私は夢を持たなくなった






いつもつまらない日々をただただ過ごしている。






いつも偽物の笑顔の裏に何もかも隠して






私は今日も生きる。


















だがしかしこの物語は






1人の傍若無人な男と出会い






主人公が変わってゆく物語である。

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