EX話 旅の始まり

「んん……?」

この暗闇、またここか。

「……願った」

「またお前か」

「揃えよ……」

「いい加減にしろよ! なんなんだよ!」

「…………」

「都合が悪くなると黙り込むのか。自分勝手なもんだな」

「君は――」

「!?」

「君はこれからとても長く、とても険しい旅路を歩む」

なんだこれ!? 今まで不明瞭な声だったのが、こんなにハッキリ聞こえてくる……!

「君は旅の中で彼女たちの願いを叶えなければならない」

「なにを言って――」

「それはとても辛く、君自身も挫けそうになるかもしれない」

「…………」

「しかし、それは君にしか出来ないこと。君でなければならないこと」

「…………」

「彼女たちの願いが叶えられたとき、光は大いなる力となる」

「…………」

「最後に勇気を示したとき、彼女は救われるだろう」

「誰のことを――」

問おうとした瞬間、その空間にヒビが入り、割れ、眩い光に包まれる。

「――は待っている」

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