Twitterポエムまとめ

人夢木瞬

2015年10月~2016年1月まとめ

※途中で文章がぶった切られてるのは仕様です。


2015年10月


まるで脳細胞が甘い甘い密に浸ったかのような錯覚に囚われる。

何も考えられない、といった様子の僕を君は見下ろしていた。

その表情は読み取れない。

思考のみならず視界までもがぼやけているのだ。

ただ、なんとなく「ありがとう」という言葉と、それに不釣り合いな嘲笑が聞こえた気がした。

僕の意識はそ


「彼は笑って死んでいったよ」そう口にする彼女の口元はいびつに歪んでいた。

人の命をなんとも思っていないような不快な笑みを私に向けている。

邪悪とはこういう人間のことを指すのだろう。

内心そんな言葉を漏らしつつ、私は「そうかい」と興味無さげにつぶやいた。

その瞬間、まるで脳細胞が甘い甘い蜜


どこまでも愚かな男だ。

自分で自分をそう評価してやりたい。

俺はきっとこの快楽から抜け出せないのだろう。

甘い甘い蜜に脳細胞を浸す感覚に囚われるながら、永遠に死に続けるのだ。

死を迎えた瞬間に次の死が訪れる。

その繰り返しだ。彼女は今までに何人の人間をこうして殺してきたのだろう。

それを知っ


他人の不幸は蜜の味。

なら最大の不幸とは蜜そのものになり得るだろう。

しかし彼の予想は間違っていた。

蜜を作るのに必要なのは不幸とは一切程遠いものだったのだ。

その結果、彼は蜜の虜となった。

そんな彼を一番近くで見続けていた彼女はこう思うようになった。

「私が助けてあげる」

それが全てのはじま


畢竟して彼女の望みは果たされた。

しかし蜜に浸り続けた心に外の空気はあまりにも冷た過ぎた。

男はその寒さに耐えられず、再び蜜の中へと飛び込んだ。

彼女は絶望した。

そして彼女は殺し続けるのをやめた。

代わりに生かし続けることにしたのだ。

蜜に混ぜるはほんの一滴の魔法の液体。

そして彼女は踊る。


踊れ。踊れ、踊れ。おどれオドレodore。



11月


私は世界を救おうなんて大それたことは考えちゃいない。

けれどせめて私が生きた証をこの世界に残しておきたいと思った。

そのために世界を救うことになるなら、それはそれで悪く無いだろう。

まだ足は震えてる。

心音も呼吸も乱れてる。

けれど心は落ち着いていた。

さあ行ける。

一歩を踏み出そう。

たとえ全


さようならはさいごのうた

わたしはうたう

さびしいからすのように


夜の帳が下りる。

彼らが目覚める。



12月


流るるは水と時

世界の悪意を水で溶き

飲み下した理由は自らすら知らず


いつぞやの

褪せた景色は

幻か

最早全てを

思い出せぬ身



2016年1月


くるりくるりと舞い落ちる

はらりはらりと枯れてゆく

ひとりひとりの愛憎歌


光は潰えて主のもとへ

全ては終へと歩みを進める

ひとつ、またひとつと消えていくのならば

残る空の座は誰のものか

問えば問うだけ手が上がる

その手をひとつずつ丁寧に切り落としていったとき

最後に残るのはやはり空の座

ああ、愛しき者よ

今こそ私に殺されておくれ


居心地の悪さを感じつつも逃げ出せない私は、自由になりたくて翼を広げようとした

けれどもそこは狭すぎて、飛び立てやしない

まさしく私は籠の中の鳥だった


かつて私の手を引いてくれたあの人は、もう私の足を引っ張る存在でしかない

かつて悪事に手を染めて、洗うのは足だなんてふざけている

かつてヤツらに手を焼いて、足を運んだあの場所はどこだったか

手取り足取り教えてくれよ


三つ目の釘が抜けた

鉄格子の向こう側には何がある

金糸雀は鳴くのを止めた

水銀を飲み干した鴉

錆び付いた蝶番が唸りを上げる

鐘の音が響く

殺した筈の蜻蛉の赤色眼鏡

灰にまみれた銅像は自壊する

世界はいつも人の王が二つの終止符をうつ

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