第139話 不死鳥伝説を追えⅡ

前回までの、三つの出来事!





(……何すか急に叫びだして、頭でも打ったんすか?)


「いつもの事じゃ、放っておけ」





一つ、ランド大樹海に帰還した私は、突如現れた東の森王と二度目の戦いを行い、勝利した!





(いつもの事って……冷静っすね、普通急に大声で独り言を言い始めたら戸惑うもんじゃないっすか?)


「こういう事が何度もあれば誰だろうと慣れるもんじゃ、お主もいずれ慣れると思うぞ」





二つ、残りの六大魔王の情報を得るためにアルトランド王国に向かった私達は、ウィズの祖母であるエマさんから、バラス砂漠に伝わる不死鳥伝説の事を聞き、バラス砂漠へと向かった!!





(ふん、どうせ捨て駒にされるんだから慣れても意味ないっすよ)


「本当に生意気な奴じゃのうお前は……何故そんなに反抗的なんじゃ?」





三つ、ミミズさんは昔砂漠で干からびかけた事があったのだった!!!





「三つ目は相変わらずくそどうでも良いことじゃな! じゃが前は儂ではなく魔海王じゃったからな……うむ、やはりこうでなくてはな!」


(何で喜んでるんっすかこいつ……)


(きにしないほうがいいよー)








と言うわけで今回も久しぶりに私が好きな某特撮ヒーローのあらすじ風にまとめてみた。





ランド大樹海から出発して三日、西に進み続けた私達は、遂にバラス砂漠へと到着したのであった。





「ここがバラス砂漠か……」


「まぁ何も変哲も無い普通の砂漠じゃな……こんな所に本当に魔鳥王が居るのかのう……?」


(すごーい! ひろーい!)


(これが砂漠ですか……大樹海と違って何も無いですね)


(俺、一面砂だらけ、言う)


(生き物はいるのでしょうか、いなかったら主様に肉団子をお作り出来ませんね……)


(灼熱の砂漠……新しい歌のヒントになりそうです)


(凄いであります! こんな場所見たことないであります!)


『『ギチチチチチィィィィィィィ!!』』








スティンガー達は初めての砂漠に目を輝かせていた。





(……これのどこが良いんすか? 何も無い広いだけの場所じゃないっすか)





ドラッヘは砂漠を見ても反応は薄いようだ。





「それでバノン、この辺の事は詳しいの?」


「十年程前に一、二回来たぐらいだ、確か幾つかの村や町があったはずだ」


「よし、まずはその村と国を探してみようか」


「そうじゃな」





私達は空を飛び、砂漠を移動する。






































―砂漠を移動し続けて一時間程が経過したが、町はまだ見つからない。





「大分移動したね……」


「はぁっ……しかしこの暑さには参るのう……」


「おかしいな……記憶だとこの辺りにあったはずなんだが……」


「その記憶は確かなのか? 歳のせいで曖昧になっとるのではないか?」


「まだそんな歳じゃねぇよ!」


「落ち着いてよバノン、……ん? 何かあっちから煙が上がってない?」





遠くを見ると、微かに黒い煙が見える。





「本当だ」


「何かあったのかもしれんのう」


「行って見よう!」





私達は煙の方角へと飛んで行く。





「! こ、これは……」





煙の上がっていた場所には滅茶苦茶に破壊された小さな村の姿が見えた。





村に入ると、全ての家が破壊され、死体があちこちに散乱していた。





「こいつは酷いな……」


「徹底的に破壊されてるのう」


「一体何があったんだ……!? ミミズさん、バノン! あそこにまだ生きている人が!」





地面でうずくまっている男を発見し、私達は男の元に向かった。





「おいあんた! 大丈夫か!」


「う、ううっ……あ、あんたは……」


「俺は旅の商人だ、教えてくれ、一体この村で何があったんだ?」


「……うう……突然赤い鎧の男が現れて……」





赤い鎧の男!?





「あの男が村の奴らを……がはっ!」


「おいっ! しっかりしろ!」


「あいつは……あいつは笑っていた……! 逃げ惑う人々を、楽しそうに笑いながら一人一人……殺していった……!」


「……」


「あ、あいつは……悪魔だ……」





その言葉を最後に、男は動かなくなった。





「……ミミズさん、赤い鎧の男ってもしかして……」


「うむ、恐らくは魔人族の奴じゃろう」


「何でこんな惨い事が出来るんだ……魔人族の奴らは……」


「今回の魔人族はあのブロストよりもヤバい奴かもしれんぞ、そして奴が魔鳥王を狙っているならば……ヤタイズナ! 今回はいつも以上に気を引き締めねばならんぞ!」


「分かってるよ、ミミズさん……!」





私達は、死んだ村人達全員を埋葬し、村を出た。

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