第112話 ガタクの出会いⅡ
―ランド大樹海、ヤタイズナの巣。
(喰らえ!)
(はぁぁっ!)
ソイヤーとテザーが模擬戦を行っていた。
(《岩の鋏》! 死ねぇ!)
テザーが岩の鋏でソイヤーを攻撃する!
(甘いぞテザー!)
ソイヤーは横に跳び、テザーの攻撃を回避した。
(《斬撃》!)
そしてそのままテザー目掛けて斬撃を撃ち放った!
(ちぃぃっ!)
テザーは岩の鋏で斬撃で受け止めた!
(ふっ、やるなテザー……)
(俺、お前もな、言う)
「そこまでで御座る」
ガタクが模擬戦を終了させた。
「双方、見事で御座ったぞ、技の錬度とレベルも大分上がったようで御座るな、これからも精進するで御座るよ」
(ありがとうございます師匠、このソイヤー、更に鍛錬を積んで強くなります)
(俺、もっと強くなる、言う)
「その意気で御座る、では拙者は散歩に行ってくるで御座るから、留守を頼むで御座るよ」
(了解しました)
(俺、分かった、言う)
ガタクは日課の散歩に向かおうとした時、ある事を思い出した。
「おっといかんで御座る、ティーガーに食事を渡さねば」
ガタクはティーガーの元に向かった。
「ティーガー、食事を持ってきたで御座る、受け取るで御座るよ」
そう言うとガタクはティーガーの居る穴目掛けて食事を投げた。
すると穴からティーガ―が目にもとまらぬ速さで餌に喰いつき、穴の中に引きずり込んだ。
(……こんな私に食事を持ってきてくれてありがとうございます、ガタク)
「良いで御座るよ、所でティーガー、レベルは順調に上がっているで御座るか?」
(……はい、もう少しで進化できます……進化出来ればこんな私でも主様のお役に立てれる……進化の時が待ち遠しいです)
「そうで御座るか、では拙者は散歩に行ってくるで御座るから、ゆっくり食べるで御座るよ」
(分かりました、いってらっしゃい)
ティーガ―に食事を渡したガタクは、日課の散歩に向かった。
「良い天気で御座るなぁ……殿達は今何をしておられるので御座ろうか……む?」
ガタクは散歩しながら、数週間前にアルトランド王国へと旅立ったヤタイズナ達の事を考えていると、背後から何者かの視線を感じた。
ガタクは即座に後方を向き、戦闘態勢を取った。
「何者で御座るか! 姿を現すで御座る!」
ガタクがそう言うと、茂みの中から一人の人間が出てきた。
「……ん? お主はあの時の……」
出てきたのは、前にガタクが散歩していた時に遭遇した、トックリワスプ達と戦っていた黒髪ポニーテールの女だった。
「どうしたで御座るか? 拙者に何か用がおありか?」
ガタクは警戒しながら女に質問した。
「……前に助けてもらった礼を言いに来た」
「礼?」
女がガタクに近づき、頭を下げた。
「あの時助けてくれて感謝する、そして助けてくれた相手に対して無礼な振舞いをしてしまった事を許してほしい、喋る魔物を見て動揺してしまってな……」
「別に良いで御座るよ、しかしわざわざ礼を言うために拙者を探していたので御座るか?」
「ああ、『どんな者であろうと恩人には礼を尽くせ』……そう教わったからな、たとえ相手が人ではなく魔物であろうと助けてもらったのなら礼を尽くさねばな」
「ほう、良い教えで御座るな……拙者の名はガタク、お主の名は?」
「私はファレナだ、よろしく」
「ファレナ殿、少し聞きたいのだが何故お主はこの森を訪れていたで御座るか? ひょっとして冒険者とか言うやつで御座るか?」
「……ああそうだ、上の命令でこの森の調査を行っていたんだ」
「成程、そうで御座ったか、所でファレナ殿、もうひとつ聞きたい事があるのだが……」
「……すまないが今日はこれで失礼する」
そう言うとファレナはガタクに背を向け、森の中を歩き始めた。
「もう行くので御座るか? 聞きたい事が……」
「あまり時間が無くてな……すまない、また縁があったら会おう、さらばだガタク」
そう言うとファレナは森の中へと消えて行った。
「行ってしまったか……仕方ない、拙者も巣に戻るとするか……」
ガタクは来た道を戻り、巣へと帰って行った。
「第64回次回予告の道ー!」
「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」
「ガタク達、元気そうで良かったね」
「そうじゃのう、……しかしあの謎の女について分かった事は名前だけか……」
「ファレナ……冒険者みたいだけど……何か隠してそうだよね」
「じゃな……まぁ今考えてもまだ何も分からんし、いつも通り次回予告を始めるぞ!」
「次回から魔竜王編がスタート! 今度はどんな敵が待ち受けているんだろうか……それでは次回『ドラン火山』!」
「「それでは、次回をお楽しみに!!」」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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