アギャーフの声

 アギャーフの声は聞こえない。楽しい声も、苦しい声も。それはまるで、いつでも風が吹いているようだ。そして、大きくなっていくようであり、小さくなっていくようでもある。

 アギャーフは春に吹く凩のようにすべてを包み込む。そのあとには太陽の影のように新たな風を生んだ。すべては吹きすさぶ凪の意思であり、終焉から始まる。それこそが最大の一部だ。

 からからと嗤う般若は泣き叫ぶ笑みをまっていた。

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