一編集者の思い

@BlackJohn

その1

※これはあくまでも個人的見解です。


送り出す側から言うのも何だが、今のライトノベル全盛は非常に出版業界を危うくしている。

自分で自分の首を絞めている状態だ。

というのも、はっきり言って出版業界は不況だからだ。

自転車操業そのものだ。

そのため、売れる物を優先して売っている。

だからこそのライトノベル全盛なのだ。

もちろん、買い手側の意向であるから問題も間違いもないが、作り手側の文壇というものを考えると確実に失策だ。

ひとつは、作家を使い捨てにしている。

ひとつは、作品の質の低下を招いている。

受賞した作品をそのまま(下手をすれば校閲すらせず)シリーズ化し、その作品が売れなくなったら作家生命終了。

これが今のライトノベル作家の九割方の道だ。

昔は違った。

受賞した作品は単巻。一冊読み切りの二作目、三作目をきちんと作り、読んで貰えるようになって初めてシリーズ物に取り組む。

結果、息の長い作家となり、成長していくつもの名作を生み出す。

昔の作品は、何年何十年経っても読み継がれているものが多い。

それに対してライトノベルは、今日こそ読んで貰えているが、一年後どころか一月後には廃版とされていてもおかしくない。シリーズ途中で打ち切られた作品がどれほどあることか。


文壇の未来は暗い。

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