8.プロット
今回は、段落、章立てについて説明しようと思います。
意味が分かっている方は、どんどん書き進めていく方が良いと思いますので、お話作成励んでください。
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<章立て>する。という言葉は聞き慣れていないと思います。
要するに、前回説明した、いくつかの段落と段落の塊(数字や記号でまとめたもの)を<章>と言います。
例としてあげるなら、
第一章
一 出会い
二 旅立ち
三 戦い
四 憩い
第二章
一 裏切り
二 悲しい過去
三 決意
四 逃走
こんな感じになります。章内の一や二などの数字やタイトルは、<章立て>のリンク先の呼び方で良いかと思います。
章に関して表面だけをなぞった説明は以上です。
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章や項を構成する、段落の説明をします。
段落というものをどういう風にするべきか、と言うことで悩む方がいます。
簡単に言うと、場面が変化するときや主人公が次の動作に移るとき、状況描写から心情描写に移行するときに、文と文の連なりを改行して、ひとつの段落とします。
たとえば、
雨降って地固まる、と言うけれど、
という文章があった場合、ご覧になってどう思いますか?
大変読みにくく感じませんか?
これをちゃんとわかりやすく段落を付けて整理してみましょう。
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雨降って地固まる、と言うけれど、
孤児院でもあるあおぞら園の外へ、十八歳の年で出ることになった。それは、今までの親がいないという人生を帳消しにできるほどの、新たな始まりだった。
「忘れ物ない?」
園長の
「あんまりもの持ってないから」
碧琉は答えた。
嬉しいとも悲しいとも寂しいとも違う。なにが待ち受けているか分からない、期待感が胸に溢れてくる。
(「軒下にガーゴイル」より抜粋)
格段に読みやすくなったかと思います。しかも、時間経過などを表現するための行開けも行っています。
段落の塊を一行離すだけで、この段落との間に時間が経過したことを暗に示すだけでなく、場面が変化していることがわかりやすくなります。
しかし、こういった<行開け>は効果を狙って付ける場合もあり、時間経過など関係なく使用する場合もあります。
その場合は、段落として考えず、単なる改行としてとらえます。どういったときに使われるかというと、行開けしたときの文を印象深くするために使用します。
ですから、印象づけるためだけとか視点換えを頻繁に行い、行開けをすることはあまり良い印象を与えない、どころかさらに読みにくく感じさせ、読者に不快感を起こさせます。
出来たら、印象づけたい行開けは多くとも項事に一つだけ。視点変えは項事に行うべきで、項内の細かい部分で何度も行わない方が良いでしょう。
※オンノベはこれに当てはまりません。ただし、改行による効果はなくなります。
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また、<行開け>は何行開ければ良いのかという決まりは特にありません。一行の人もいれば、二行、三行の人もいますが、私は時間や変化が大きくない場合は一行。長い時間、大きな場面変化、視点変更の場合は二行ないし三行、または記号を用います。
ついでにいうと、出版社によっては一行以上はNGだというところもあります。しかし、投稿するときは気にしなくて良いと思います。その部分は審査対象になりませんから。
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結論を言うと、<章立て>は誰のために行うのか。結局、読者のために行うのです。
お話を読みやすく、また理解しやすくするために、段落や章立てが必要になってくるのです。
ただし、純文学や実験小説の中には、一切段落を作らずに書かれるものもありますから、段落・章立てしないこと=間違っている、訳ではないことを補足しておきます。
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次回は、お話を書くときの決まり事についていくつか説明したいと思います。
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