1.お話を書く(推敲)

 今回から、いきなり、お話を書き終えたものとして、話をしていきます。


 正直、コーヒーブレイクでも書きましたが、初めてお話を書く人に、文章作法をうるさく言いたくないのです。


 最低限、読む側に親切にすることだけ、注意してくれれば、いいのではないかと思ってます。


 それに、小説を一話書いたから、次はプロ並みの力がつくわけではありません。


 確かに、生まれて初めて書いた小説でプロになる人もいますが、そういう人は何百万人に一人の天才です。


 他の人は地味にいくつもお話を書いて、書くことに慣れ、書き方が上達したころに、プロを目指そうかどうしようか悩むものです。


 もう亡くなられて何年もたちますが、作家の 栗本薫 さんは大学生までの間に、押し入れ一杯入るくらいの大学ノートに小説を書きまくったといいます。


 本棚からあふれるほどのお話を書き続けて、人に読んでもらえるレベルから、お金をもらってもいいかなと言えるレベルになっていくのだと思います。


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 お話を書き終えて、大満足したと思います。


 まずは一週間くらい、そのお話は机の引き出しにしまっておきましょう。一か月くらいしまっていてもいいです。


 とにかく時間を置きましょう。


 注意する点はそれからです。


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 このことを、一般的にいうわけではないですが、「物語を寝かせる」と言います。


 自分の中で客観視できるように、いったん物語から離れなくてはいけません。


 たいてい、(自分もそうですが)書き終わったばかりのころは、まだ頭の中の気分が書き終わった小説のままになっています。


 そうすると、お話のことがよくわかっているので、何度読み返しても、気づかない点がたくさん出てきてしまうのです。


 別にお話をかければそれでいい。すぐに人に読んでもらいたい。小説家や漫画家になれなくていいよ。趣味なんだし、このままでいい。


 という方は、お友達に読んでもらったり、インターネットにすぐに発表してもいいです。


 でも、今のお話を少しでも面白くしたい。文章が今よりうまくなりたい。将来、小説家や漫画家になりたい。


 という方は、名残惜しくても、お話を机の中にしまってください。


 寝かせている間に、別のお話を書き始めてもいいですし、とにかく、全く関係ないことをしてもいいです。今書き終わったお話から離れてください。


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 なんだか厳しいことを書きましたが、あなたのお話の最初の読者は、あなた自身です。


 あなた自身が面白いと思えなかったら、そのお話は誰が読んでも面白くないのかもしれないのです。


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 では次回は、寝かせたお話をどう読んでいくか、お話しましょう。

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