オレはここに残る

榊の後をグリフィズが受け継ぎ、後続を断った。


しかしこの2点はエンペラーズナインの心を折った一撃だった。


エンペラーズナインは意気消沈し、反撃の気力さえも奪われた。


たった1点差だが、とてつもなく重い1点だ。


そしてヤンキースは八回、九回を難なく抑え、リーグ優勝を果たした。


マウンドでは歓喜に沸くナインが胴上げをし、田中監督が何度も宙に舞った。


エンペラーズナインはその光景をただただ眺めていた。


「ヤマオカくん!よくやった!あちきはエンペラーズのオーナーをやって、ホントに良かったぬーーーーーん!」


阿佐オーナーが感動し号泣していた。


「榊くんは責められんぬ!守山くんの力が上だったんだぬ!いい勝負を見せてもらったぬ、ありまーとぬ!」


榊はベンチで脱け殻の如くただ座ってヤンキースナインの歓喜の様子を見ていた。


「 Let's certainly win the championship in the next year that was splendid pitching(いいピッチングだった。来年こそは優勝しようぜ)」



トーマスJr.が榊に握手を求めた。



榊は一瞬ハッとしたが、トーマスJr.の差し出した右手を握り返した。


「オメー、来年はメジャーに帰るんじゃねぇのかよ」


榊の言うとおり、トーマスJr.は今年一年の契約のはずだ。


「 I can't stand getting beaten.(このまま帰る訳にはいかねぇよ)」


トーマスJr.は来期もエンペラーズでのプレイを希望している。


「 The boss and I'll also play in emperorss next year. (ボス、俺は来年もエンペラーズでプレイする)」


トーマスJr.はスミスコーチに来年もここでプレイする旨を伝えた。


スミスはニッコリ笑い頷いた。


こうしてペナントレースはヤンキースに凱歌が上がり今シーズンの幕を閉じた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る