グッズの売り上げNo.1

ガンズ攻略の糸口を見つけたエンペラーズは二連勝し、首位をキープした。


この時期になると個人タイトルにも注目が集まり。


櫻井は目下首位打者の浅野に6厘差に迫る357


ホームランはトップの守山で28、打点はトーマスJr.の89


盗塁では、三年連続盗塁王の大和がぶっちぎりの53個。


最多安打は櫻井の153本である。


投手部門では、榊が防御率1.94でトップ。


最多勝は高峰とボンバーズの灘が12勝でトップにたつ。


奪三振は高峰が193個で単独トップ。


最多ホールドはガンズの希崎が28。


最多セーブはゴールデンズの藤野が27である。


個人タイトルよりも優勝が一番なのだが、優勝の可能性がなくなったチームの選手は個人タイトル獲得へとシフトチェンジしてしまう。


選手の能力を計るのは数字である。


いくらチームが優勝しても個人の成績が悪ければ年棒にも反映してしまうからだ。


最悪の場合は戦力外通告をされてしまう。



エンペラーズは北九州から地元静岡に戻り、ゴールデンズとの連戦に備える。


ゴールデンズは現在4位、昨年の覇者の意地を見せるか。


主砲浅野のバッティングは、前回榊に翻弄されて以来、やや下降気味である。


最近5試合の打率は237とブレーキがかかっている。


エンペラーズの先発は小倉。


現在6勝8敗 防御率は3.68と今一つピリッとしない。


ゴールデンズはエースの池田が先発。現在10勝9敗、防御率は2.63。


小倉はここ最近終盤に1発を浴びるケースが多い。


高峰にエースを奪われた形となったが、かつてのエースがどのようなピッチングを見せるのか。


静岡エンペラーフィールドは小倉が先発するとあって、【おヅラ、今日も泣け!】というプラカードを多く持つファンで埋め尽くされた。



球場内の売店では【おヅラ号泣弁当】なる弁当が飛ぶように売れた。


グッズの売り上げでは、エンペラーズ1の選手だ。


そして小倉がマウンドに上がった。


「佐久間さん、この前の話、あのバカを交換相手にしたらどうだろううか?」


ヤマオカはまたもや、例の【アイツ】の事を話していた。


「向こうも悪い話じゃないと思うんだが、後はアンタに任せるよ」


どうやらトレードの話をしているらしい。

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