ついに首位
続く二戦目は先発に高峰を持ってきた。
そして高梨は今日もスタメン落ちした。
昨日に引き続きベンチ裏で懸命にバットを振る。
いつ出番が来てもいいように。
この日高峰は最速の158㎞をマーク。
初回から奪三振ショーを展開する。
ストレートで追い込み、スライダーでカウントを獲り、最後に魔球フロントドア、バックドアで三振に打ち取る。
打線は五回の表に大和のスリーベースヒットを皮切りに三連打で2点を先取。
八回の表はトーマスJr.、垣原の連続アーチで追加点を上げ、高峰は九回を無失点、被安打3
4四球 14奪三振の力投で完封勝ち。ハーラートップの10勝を上げた。
三戦目は中継ぎエースのグリフィズが先発。
キレのあるストレートとスライダーで5回を投げ、被安打3
1失点の好投。
打線は高梨がまたもスタメン落ちだったが、ルーキー山下のツーベースヒットで出塁し、9番グリフィズの打順にヤマオカは高梨を代打に送った。
高梨は相手投手の変化球にタイミングが合わず、苦しんだが、ファールでしぶとく粘る。
そしてフルカウントとなり、8球目のスライダーを食らいつくようにバットに当て、ライト前に運んだ。
セカンドランナーの山下が一気に三塁を蹴ってホームイン、エンペラーズが同点に追い付いた。
六回から守備に着いた高梨は痛烈な打球も難なく捌き攻守共に活躍を見せる。
その後中継ぎ陣が1点を失うが、七回の表に松浦がセンターバックスクリーンに飛び込む同点のソロアーチを放ち、8回はサードからライトの守備についた山下がこの日、2本目のツーベースヒットを放ち、このチャンスに大和がセンター前ヒットで山下がホームに返り勝ち越し。
その後は小刻みな投手リレーで九回は守護神、土方が3人で抑えエンペラーズが逃げ切った。
この日、2本のツーベースヒットと、2得点の山下が大活躍。
ヤマオカ監督は後半戦、山下を外野にコンバートさせ、試合経験を積ませようとしている。
前半戦折り返し地点でボンバーズ、ゴールデンズ両チームが敗れた為、エンペラーズがついに単独の首位に立った。
前半戦とはいえ首位に立ち大喜びする阿佐オーナー。
「あちきはスゲー嬉しいぬ!!まさか前半戦最後でトップに立てるなんて夢のようだぬ!もしかしたら夢なんじゃないかぬ?」と喜びのコメントをした直後、トーマスと榊の二人が
「オラッ!痛ぇだろ!夢じゃないんだぜ、オーナーさんよぉ~っ!!」
「 Hell yeah!!!(そうだそうだ!!)」
と、二人かがりで4の字固めと腕ひしぎ逆十字を極められた。
「ギャ~っ!!ギブギブ、折れるぬーーーーん!!」
そしてまたオーナーは担架で運ばれた。
「あの二人のコンビネーション段々良くなってきてるんじゃないすか?」
「最強タッグだよな… 」
大和と垣原が感心していた。
そして3日後には、千葉ヤンキースの本拠地、バーチーヤンキースタジアムにて、オールスター戦が開催される。
オールスター戦とは、国内を東西に分け
東軍は
デンジャーズ
ヤンキース
ゴールデンズ
エンペラーズ
西軍は
ファイアーズ
ボンバーズ
ハードパンチャーズ
レボリューションズ
ガンズ。※ ブレイカーズは東だが球団消滅の為4球団になった。
ファン投票及び監督推薦で選ばれた選手が出場する。
エンペラーズでは、大和、櫻井、トーマス、榊、高峰の5人が選ばれた。
夢の球宴で誰がMVPを獲得するのか。
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