アホの小倉

この試合、先に動いたのはレボリューションズだった。


六回の表、ツーアウト、ランナー二塁で迎えるはルーキーながら、主砲の織田。


小倉はここまで被安打3, 2四球

2奪三振という内容だ。


「ムシュシュシュシュ。絶対に抑えてやるぬ!」と阿佐オーナーをパクったかのような口調で一球目を投げた。

しかしスローカーブが真ん中やや高めに入り、織田はこれをフルスイング。


打球はバックスクリーンに入るツーランホームランでレボリューションズが先制した。


「ムシュシュシュシュ。ルーキーのクセに生意気だぬ!」


するとセカンドの中田が

「テメーのコントロールミスだろうがっ、このバカ!」


「そうだそうだ、テメーが悪い!」


「ヅラ取って謝れ!」


「残りの毛むしるぞコラっ!」


「だからテメーはバカ面なんだ!」


小倉が打たれると内野だけではなく、外野手まで集まり、一斉に小倉に罵声を浴びせる。


それにつられてトーマスJr.も

「 You idiot!!(このバカヤロー!!)」とアルゼンチンバックブリーカーを小倉に食らわせた。


ヤマオカがベンチから出て来てピッチャーの交代をを告げた。


小倉は泣きながらマウンドを降りた。


降板する時は毎回このパターンだ。


結局この失点が響き、エンペラーズは1対2で敗れた。



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