スモールベースボール否定派

日本球界の伝統とも言えるスモールベースボールとは、 攻撃面においては、長打力(本塁打)に依存せず、出塁した走者を犠打、ヒットエンドラン、機動力(盗塁)で確実に次の塁へ進め、安打や犠牲フライで本塁へ生還させ、確実に1点を取ることを理想とする。


しかし、 長打力が低いため大量得点は期待できない。セイバーメトリクスによる統計学上の観点から見て、無死一塁から犠打で一死二塁にした場合、1点が入る確率は高まるが、2点以上得点できる確率は下がるため、確実に1点を稼ぐこと(アウトの部分的生産性)に執着して、総獲得点を統計的に下げ、ひいては勝率を下げているとの指摘が存在する。


ガンズは日本のお家芸とも言える自己犠牲(送りバント等)を真っ向から否定した。


平たく言えば簡単にアウトカウントを与えるにしか過ぎないという事らしい。


そしてガンズは本拠地、関門海峡が見渡せるオクトパスフィールドで、佐久間、スミスが新たにコーチとして就任した新生エンペラーズを迎え撃つ。


オクトパスフィールドと呼ばれる球場は、関門海峡の名物でもあるタコから由来したものである。


ちなみに山口県を本拠地とした長州レボリューションズとの対決は、関門海峡シリーズと呼ばれている。


ガンズの先発は左のアンダースロー廣永

エンペラーズの先発は3年目の期待の右腕、高峰 圭右(たかみね けいすけ)


昨年から先発ローテーション入りした27才。


大学から社会人を経てエンペラーズに入団。


右腕から放たれるMAX158㎞のストレートを主体にツーシーム、スライダー、カットボール、そしてスプリットを武器に三振の山を築く。


新たにヘッドコーチとして就任した佐久間は、高峰をエースとして鍛え上げるつもりだ。


今までは小倉というエースナンバー18の投手が柱だったが、小倉の風貌とピッチングを見てエースというよりは第2第3のローテーション投球というイメージしかない。


佐久間は敢えて、小倉をエース格から外し、高峰をエースとして、榊、小倉という順番でローテーションを組む事にした。


まだ二桁勝利に達した事がない高峰だが、マウンド度胸と死球を恐れずに内角を突くピッチング。

そしてアウトローに決まるストレートのキレを見てエースに決めた。


課題は制球力に磨きをかける事だが、適度に荒れた球は相手に的を絞らせる事が難しいので、佐久間は高峰の勢いのあるピッチングを長所として捉えている。


そして打順では、4番を打っていたトーマスJr.は、スミスが総合バッティングコーチに就任してから3番を任される事になった。

4番は昨年同様、高梨が座る。

5番には垣原、そして櫻井は2番という超攻撃型野球で挑む。


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