ゲスの極み

「ダーッハッハッハッハッハwwは、腹痛ぇ~ww」


珍太朗は笑い転げ、のたうち回っていた。


「こ、こんなマヌケだっとはwwダーッハッハッハッハッハww」


こんなにもあっさり白状するとは。


さすがはあのバカ息子だ。


「親子揃ってバカでどうしようもねぇな、おいっww」


さて、そろそろ仕上げにかかるか。


そろそろエージェント達からの報告が来る頃だ。





2日後、珍太朗はオーナー結野の所へと向かった。


パンチャードームの来賓席で待ち合わせた。




「はて、どこかでお会いしましたか?」


「オレを覚えてないとは…人の金で女を作って実業家とは。

息子もバカならオヤジもバカだ、ダーッハッハッハッハッハww」


「貴様誰だ?私を侮辱するとは許さん!」


「言っとくが、誰も助けに来んぞ。何ならドア開けて確認しな」


結野はドアを開けた。


すると周りには屈強な外国人が数名見張りをしていた。


「…っ!」


「結野 穴雄!そろそろ白状すんだな」


「何の事だ一体!?」


「宇棚 珍太朗この名前を知らないとは言わせねぇぞ。

しらばっくれるなら全部プロ野球機構にバラすまでだな」

「何?あのヤリチンヤローか、貴様は!」


「大きなお世話だ、このチンチクリンが!全部白状したよ!応援団のヤツも、パンチ君もな。

あ、後ボールの発注する業者もな」


「な、何をそんな言いがかりを!」


珍太朗はポケットから小さな物を出した。


「相手ベンチのコンセントの中に仕込んでいたとはねぇ」


それは紛れもなく小型の盗聴器だ。


「私は知らん!初めて見たぞそんなもんは!」


明らかに動揺している。


「んじゃこれに聞き覚えはないのか?」


彩香が仕掛けたボイスレコーダーを聞かせた。


「ギャーハッハッハッハwwい、いつ聞いても笑えるな、テメーんとこのバカGMは。いや、バカ息子と言った方がいいかなww」


「!!!」


「正真正銘テメーのせがれだ!」


「う、嘘だ、あんなバカが」


宇棚ひろしの本当の父親は、結野だったのだ。


「ま、確かに戸籍上じゃオレの息子だ。あくまで戸籍の中ではな」


「でな、こいつも公表しようかと思ってな」


珍太朗が見せたのは、彩香に言い寄る結野の肉声が聞こえるボイスレコーダーだった。


「オーナー、お止めください」


「ウハハハ何を言うか、あくまでもグッズのモデルとしてキミに協力願いたいんだよ」


「私はあくまでも球団の職員ですから…」


「いいのかね、断っても。キミが大和と付き合ってる事も知ってるんだよ。キミの出方次第じゃ、彼なんかどうにでも出来るんだよ」


ものスゴいゲスな会話だった。


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