仕掛けられた盗聴器

「No use! I don't see it very well among cheering parties!(ダメだ、応援団のやつらに囲まれてよく見えない!)」


エージェントからのメールが来た。四方を応援団に囲まれよく見えないらしい。


応援団をカムフラージュにしているのだろう。


手の込んだ工作だ。


(ここまできて尻尾を掴めないのか)


珍太朗は焦った。


他の手段はないか!


ベンチに目をやった。


特に動きはない。


(ボールボーイの可能性はないだろうか)


ファイアーズベンチもハードパンチャーズベンチのボールボーイも動きはない。


ボールボーイの可能性はなさそうだ。


となると、ファイアーズのベンチに盗聴器があるのか…


可能性は高いがそう簡単に見破られるような場所にはないだろう。


盗聴器が仕掛けられているのは間違いない。


だが、何処に隠されているのか?


ベンチの中に忍び込むのは無理だ。


「っ!!」


ハードパンチャーズベンチにはひろしの姿があった。


(そうか!ひろしがいたんだ!コイツは使えそうだ)


「 It's all right now. The guard is over(見張りはもう終わりだ)」


珍太朗はエージェントにメールを送った。


「そうだよ、最初っからあのバカに聞けゃいいんだよ」


珍太朗は何か策を見いだしたようだ。



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