ダークホース その1
今年はある2チームがダークホースとして注目されている。
1つ目は、千葉県に本拠地のある千葉ヤンキースだ。
かつては球界の盟主、東京ゴールデンズとペナントを争い、このカードは首都圏ダービーマッチと言われ、人気を博していた。
しかし、チーム内での賭博行為や、黒い交際。
更には監督の回春行為が公になり、チームは衰退。
そして5年前に現在のオーナーに変わり、着々と力を付けてきている。
この球団は育成に力を入れ、二軍球場は、川を挟んで隣接している茨城県にある。
力をもて余した、荒くれ者達が3桁の背番号を付け、野球で更正、またはサクセスストーリーを夢見て日夜練習に明け暮れている。
育成から這い上がり、現在は4番を打つ、ファーストの守山 龍一(もりやま りゅういち)右投げ右打ち。
昨年53本のホームランを打ちタイトルを獲得。
打率は低く、三振の数も多いが、チャンスには強く、相手のピッチャーをも飲み込んでしまう程の威圧感を持つ。
育成前は茨城県でケンカに明け暮れたヤンキーで、保護観察中にヤンキースの入団テストを受け合格。
素質が開花し、3年目には開幕スタメンを果たす。
そしてもう1人は、台湾出身で同じく育成から一軍に上がったサードを守る陳 狆包(ちん ちんぽう)。登録名は陳。
右投げ左打ち。
抜群のリスト力でスタンドに運ぶテクニックは守山と共に球団の売りでもある。
3番 陳 4番守山のアベックホーマーで今年は更なる飛躍が期待できる。
守山とは対照的に、3割を越える打率に加え、1発のあるバッターである。
守山がパワーならば、リストを生かし、上手くバットにボールを乗せてスタンドに運ぶ技術の為、技の陳 力の守山と称される。
昨シーズンは、28本のホームランを放つ。
投手陣はやや不安だが、攻めの野球で上位を食う、ジャイアント キリング(大物食い)を期待させるチームである。
オーナーは塗呂 萬太郎(ぬろ まんたろう)
千葉県の北西部を中心に飲食店を経営する。
夜の繁華街では抜群の知名度で、客商売の女性達から絶大な信頼がある。
来日している台湾や中国の女性達も信頼しており、まだ見ぬ金の卵達を紹介する事も度々ある。
地域密着型の愛されるチームである。
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