氷の地より、電波にのせて
・タイトル
氷の地より、電波にのせて
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881364850
・作者
とむ先生
・公開状況
完結済(全1話 、4,909文字)
・あらすじ
無線機は歌う。
電波を飛ばして、送り手の信号を発信する。
その先に誰がいるのか、それはわからない。
いるのかいないのかすら、知る術がない。
それでも、彼は電波を飛ばし続ける。
何故なら……わからないから。
自分の周囲に誰もいないという現実とは、違うから。
応答があるかわからないから、応答を願う。
その時、奇蹟が起こる。
・オススメポイント
SF作品の多くに見られる、とてもレベルの高い技法を用いて書かれている点に自分は感心しまし。SFでは、よく難解な造語や専門用語が登場しますよね? その理解から始めねばならないことが多々あり、敷居を高くしています。しかし、本作のように「あえて匂わせつつ、なにも語らない」という技法があります。これは、読者の興味を引きつつ、ぼんやりと世界観や設定をぼかして見せ、読者に想像させるのです。これは、なにをどれだけ、どの単語を選んでやるか、非常に難しい技術です。どうでしょうか、この珠玉の短編が持つ世界観、伝わったでしょうか? 思い描けた物語の背景が、自然と切ない遠未来を想像させます。ネタバレになるので内容には一切触れませんでしたが、オススメです!
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