珈琲の余韻に浸ろうか

高月夢叶

第1話【噂の喫茶】


飲むと願いが叶うとゆうブレンドコーヒー。今、若者の間で話題になっている純喫茶Barist,sは高層ビルの影に隠れるようにしてひっそりとそこにあった。オシャレなジャズミュージックがBGMとして流れるシックな雰囲気の店内のカウンター席やテーブル席に座る人達はコーヒーカップを手に談笑を楽しむ至福の時間が流れる。この店内を目を細めて眺める少女は微笑みを向けてボブショートヘアーの髪型がを愉快に揺らす。

「お待たせしましたブレンドコーヒです。」

一人のウェイターがコーヒーを持ってきてくれた所で、相手顔を見て軽い会釈とお礼を口にしてはにかみカップを受け取る。

「さて、ブレンドコーヒーも来たことだし高校生活最後の休みに」

「私達の輝かしい未来の為に...」

『『かんぱーい』』

と冬の寒さが残る3月。卒業を控えた信濃高校の同好会活動。放課後COFFEEBREAKの最後の活動を開いていた。


「卒業かー喜びたいとこだけど両手を掲げる程の余裕はないんだよねー。どこかに、いい出会いないかなー。」

私小野田蕾は就職活動でことごとく全敗を繰り返して気付けば内定無しでの卒業が迫っていて就職浪人生活決定とゆう現実に目を背けたい気持ちで一杯だった。

「そうめげないでさー。きっと良い出会いが見つかるよ」

「まあ、蕾ちゃんの場合は就職先のことだけどね~」


「まったく、いいよねー。ちーちゃんとあんこは進路が決まってて。」

「ハハッまーねー。」大手コーヒーチェーン店のMAREY,sの1号店に内定を決める千春は、自慢気に誇る。

「まぁ、ちーゃんに関してはインスタントしか飲まないのに、なんでMAREY,sに内定出来たかのか不思議なんだけどさ」

「まぁまぁ、そう言わない。」

しっかり者で皆のまとめ役の杏が穏やかになだめる。




「皆、離れ離れかー。寂しくなるね。」

「そうだねー」

「うん」奈緒子の呟きに、しみじみと千春と杏は相づちを打つ。

「いつか、一緒に喫茶店を開こうね。それまで、放課後COFFEEBREAKの活動はひたまず休止だね。また、いつか。」と3人は手のひらを交互に重ねて円陣を組む。

『『うん』』

三人は揃って気持ちの良き声を飛ばす。

「ところで蕾は就職の宛はあるの。」千春が尋ねる。

「大丈夫、だよね」杏も心配そうな視線を向けてくる。

二人は心配して身を乗り出し奈緒子に尋ねる。

「い、いやー。はは...」と言葉を濁す蕾。あっけらかんと応える彼女を見て千春と杏はから笑いを返し『『就活浪人め』』と悪態をつく。

「うぅ...」

親友達の言葉が胸に突き刺さる


蕾はブレンドコーヒーを見つめ

神妙な表情を浮かべる。




今、最後の学生生活が刻一刻と終わりを告げようとしていた。





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