僕がパパになったわけ

永久 夏波

僕は高校生である

「パパ、もうみんな旅立ったのか?」

クラスメイトとの蔵本晋作が声をかけてくる。

「パパていうな。ビッコのチビ以外はね。」

ちなみに子猫の話である。

僕の名前は星砂俊哉、『ドロフィーヌ学園』、高等科の一年、高校生男子である。

「トーシヤー、チェチェの出産はじまりそうだから乗れ。」

学校の校門まえで待ち伏せしなくてもいいのに………。

校門にケットラつける日に焼けた女性、高円寺幸子、通称、サチねえ、この人のおかげで僕のあだ名はパパになってしまった。

ケットラの後ろにまたヒヨコと子犬………また子育てしろと。

勘弁していただきたい、高校生活をエンジョイすると決めたからバンドはじめたのに。

と思いつつ牛の出産に付き合わされる自分が悲しい。


「足がでたぞ!ソレーひっぱれ。」

モー!

ズルズル、スポン!

「産まれたぞ!よしよしチェチェがんばったな。」

産まれたばかりの子牛はしばらくするとすぐ立ち上がる。

「ごめん子犬達にミルクあげて。」

ヤッパリ………僕がまた子育てするはめになるんじゃないか。

この牧場はもとはレジャー施設だったのでマルタでできたロッジがある、そこの一角がサチねえの住居だ。

中に入るとミルクが沸騰したお湯にいれっぱなしだ。

サチねえ、いい加減覚えてくれ………子犬にアツアツのミルクはあげれない。

結局作り直してキュンキュンお腹をすかせてないている子犬達にミルクをあげるはめになる。

ちっちゃいな………こんなちっちゃい子犬を捨てるなんてどういう神経してるんだろ?

まだ目も少ししか空いていない小さな子犬だ………。

動物愛護のくせに面倒見わるいサチねえもサチねえだけど僕が怒りたいのは無責任に捨てる無神経な人間だ、時には親が育児放棄もあるけどたいていの子は人間の身勝手で捨てられた子達だ。

暖かい柔らかなタオルの上で寄り添って寝ているチビ達を見届けてから。

温泉に向かう、さすがに汗臭さと牛臭さがまぢった臭いはまいる。

風呂から上がってしばらくしたらまたミルクだな。

………てまた学校休むはめになるのか僕?


やれやれ、試験さえ通れば何とかなる学校だからて高校生を休ませるとわ………僕よく高等部まで上がったよな。

中学の時から育児休暇ばっかりしてるのにちなみに僕がいない間はロボットが作動していて授業は伝えてくれる。

このメカをロボット工学者のテキーラが作ったおかげで僕の育児休暇は長くなった。

ぜったいにこれが最後だ!僕は高校生をエンジョイするんだ!

心にちかった。


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僕がパパになったわけ 永久 夏波 @fumakamami

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