蓬梓の調査報告
樹雨
プロローグ
父さんが異動になったらしい。
私と母さんも父さんについていくことになった。
学校も転校することになる。
これから住むことになる場所のことは言われた気がするがちゃんと聞いていなかった。たしか田舎の方だった気がする。
クラスでお別れ会をしてくれた。クラスメートは手紙を出してくれるようなことを言っていたけれど、きっと手紙はこないだろう。仲が悪い子はいなかったけれど特別に仲が良かった子もいなかったから。だから私から手紙を出すこともないだろう。
転校先では最初こそ転校生ということで騒がしいかもしれないがその後は今までみたいな普通の退屈な生活になると思っていた。
だから新しい学校での転校生紹介の時、私は目の前の光景に言葉を失っていた。
目を閉じて再び開いてみる。
クラスを見まわす。
見間違いだったらどんなによかったか。
目の前の新しいクラスメイトたちは神話や物語の中に出てきそうな人たちばかりだった。
どうやら普通で退屈な日々は来ないようだ。
いったいここの人たちはどういう人たちなのだろう。
人間ではない彼らはいったいどういうひとで人間とはどこが違うのだろう。
私は彼らに興味を持った。
彼らのことは書籍などを調べればわかるかもしれない。だけど実際に彼らは私の前に実在する。それなら直接関わって調べてみよう。
ここでの生活は楽しいものになるかもしれない。
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