心が傷つき立ち止まることなど、生きていればいくらでもある。この世は、不条理の塊なのだから。痛みも傷も感じ方は人それぞれで、長い休息が必要な時だってある。そんな彼女が懐かしいと感じる余裕もなく戻った町には、変わらないものがいくつもあった。変わりゆく世界の中で、変わらずにい続けられる強さを持つ人たち。触れあって、言葉をかわして、きっとみんな「このちっぽけな世界の端っこで」誰かの強さに触れて生きている。わたしもあなたも――――。とてもとても素敵な物語でした。ありがとう。