第17話 よろしくお願いします、ご主人様
少しお茶を飲んで休憩したあと、特典の続きを確認することにした。
★特典4 死んでも奇跡の大復活!これであなたも彼女のために死ねる!
1回100万pt(但し自殺の場合は1000万pt)
死亡しても天界に一度帰還後、いつでもどこにでも復活することが出来る。肉体の破損や毒物など様々な異常状態も復活する時点で回復する。
「特典の説明をして貰う前に、特典の名称が大抵胡散臭い広告のタイトルみたいなのは何で?」
「ロマーナがこれが良いです、インパクトが大事ですと言ってました」
「やっぱり貴女か」
ぷいっと先程ハナが拗ねた時にやったのと同じようにロマーナさんは顔を背けた。ハナはその動きもロマーナさんから教えて貰ったのか。ロマーナさんは言葉遣いこそハナの前では丁寧だけど、それ以外は普段と変わらないのかも知れない。仲が良さそうで何よりだった。
「それでこの特典もまた凄いけど。さっきの不老長寿と合わせたら不老不死になるけど良いの?」
むしろ僕に死なれてはポイントの消費が出来ないと言われてしまった。そう言われてみたらそうだった。また一応ポイントが掛かるから有限なので完全な不老不死にはならないそうだ。異常状態回復も復活して毒物などが体内に残っていたりした場合連続して死ぬことになるのでやむを得ずこうなったらしい。
「あぁ、それもそうか。死んだらポイントを使うことも出来ないね。でもあのステータスで死ぬことってあるのかな?」
「確かに早々に亡くなられることはないと存じますが、戦闘に特化した職業の方と相対しましたら可能性は否定出来ないと存じます」
「そうだね、僕なら大事なところでポカしそうだし。保険があるのは助かるよ」
僕は苦笑したがハナは不服そうな顔をした。自虐はダメって言いたいんだろうな。僕はハナの頭を軽く撫でた後に、次の特典に目を向けた。
★特典5 あの人の本性を暴き出す!? 真実の
特定の条件下で自分の目に魔力を満たすと、相手の真の姿を見ることが出来るようになります。魔力を解除すると元の姿に戻ります。
「この特典は何だろ?ロマーナさんをこれで見たら悪戯っ子の姿が見えるようになるの?」
「ロマーナはこれを使わなくとも悪戯っ子に見えますよ、お兄様」
「酷いです、ハナ様、マサト様」
ちょっと拗ねてみせてるけど、内心笑ってるようだからスルーしておこう。
「それで特定の条件下って何?」
「地上では禊ぎを行っている方々も活動されている方が居ますので、年齢性別種族などが一切合っていない転生の方を真実の瞳で自由にご覧になられると、お兄様が混乱するかと存じまして、私や天界の者に確認して頂き、許可した場合のみ能力を使えるという条件にさせて頂いています」
あぁ、なるほど。確かに美人な人に真実の瞳を使ったらオッサンだったりその逆でも何が真実か分からなくなりそうだ。
「あとお兄様、これは要望なのですが天界としては、真実の瞳で知った禊ぎ中の方にはあまり関与されないで頂けると助かります」
禊ぎ中の相手が向こうから関わってこない限りは、極力自分からは関わるなって事らしい。相手から関わってきた場合は、容赦しなくても良いと過激なことも言っていた。その方が相手も禊ぎが早く終わるから双方にとって好都合だろうと。またこの特典は
またこの特典のメリットとして、変装や擬態も見抜けるようになるらしい。便利そうだからいざという時は有効活用したいと思う。
「これでこの特典に関しては以上かな。しかし、僕の場合は離れようとしても関わってしまう可能性が出てくると思うな。自分で言うのも何だけど巻き込まれ体質みたいだからね」
「ふふ、存じ上げております。あくまでも要望ですので、お兄様はお兄様の望む人生を歩まれて下さい」
★特典6 地上に居ながら天界のあの子とお喋りできる!?これで2人の時間もハートもバッチリ確保! 1通話 5000pt/5分
地上に居ながら神や天女と相談から世間話まで何でも会話が出来る。但し希望した相手が多忙の際は会話出来ないこともある。
「これは困ったことがあったら質問して良いの?」
「はい、左様に存じます。先程の禊ぎに関わったときの判断や、お困りのことが御座いましたら、いつでもお聞き下さい」
「なるほど、助かるよ。ちなみに、これどうやって会話したら良いの?念話みたいに相手に繋がるように念じる感じで良いのかな?」
「左様に存じます。お気軽におたずね下さい」
「分かった、じゃあ困ったことがあったらよろしくね」
「・・・とうとう突っ込まないという言葉すら言われなくなってしまいました」
ロマーナさんがしょんぼりしているが、構ったら負けなので次の特典に目を移す。
★特典7 スロットでスキルをゲット!これさえあれば、今からマルチプレイヤー! 1回 10万pt
禊ぎ中に体験したことがある職業の中から、スロットの抽選結果で表示された職業とスキルを得ることが出来る。一度得た職業のスキルは他の職業のスキルを得ても消えることはない。
但し、スキルは最初から全てを使うことが出来ず、職業の熟練度によって新たなスキルが解放される。また、スロットの抽選を行えるのは最後にスロットを操作してから1週間後とする。
スロットを行いたい場合は特典6で会話し天界から転送して貰う事で可能。スロットを行った時点で特典6の消費はキャッシュバックされる。
またスロットを転送したあとに、他人が操作することは不可能。許可した者にしか本体を見ることが出来ない。
「あぁ、こうなったのか。確かに最初から色々出来たら確かに面白くないしね」
「お兄様でしたらそう仰ると存じましたが、身体に新たなスキルを馴染ませるためという理由も御座います。1週間のクールタイムを用意しているのもそのためです」
「なるほど。複数の職業のスキルを持てるとか今から凄く楽しみだよ」
☆特典8 バニーガールからジョブチェンジ!クール系メイドのリナ・フレイヘドにご奉仕されたり至れり尽くせり! 100pt
リナ・フレイヘドをメイドとして従えさせることが出来ます。家事から戦闘まであらゆる事をサポートします。
「え、何コレ?というか、リナさん100ptって安くない?」
「連れて行くか選択権はお兄様にありますが、是非リナを随行させて頂きたいので、リナと相談した上で決定致しました」
「そりゃ、1億ptだろうと着いてきてくれるならお願いしたいけど、リナさんは良いの?」
「はい、実はこの件は私からハナ様にお願いしましたので何も問題ありません」
リナさんがハナにお願いしたのは、僕が地上に降りられるか相談しに行ったその日のうちだったらそうだ。言われて見れば、部屋に戻ろうとしたときリナさんだけハナのところに戻ったんだっけ。
またリナさんはあくまでもサポートに徹するらしく、世界の滅亡など重大なことにならない限りは僕の行動に制限をすることはないらしい。
助言はむしろ欲しいと言ったら、先程のトゥルーサイトのスキルの使用可否などもその場で相談と進言をしてくれるとのことだった。正に至れり尽くせりだ。
「確かに先程の例は天界には不利益ですが、挽回出来るレベルです。そしてそれ以上の不利益があったとしても、お気になさらずにお兄様は自由にお過ごし下さい。世界の滅亡に関わるなど重大なことになりそうな場合は、私から神託としてお止め致します」
「ありがとう、ハナ。リナさんもありがとう。地上でもよろしくお願いします」
「お気になさらず」
「はい、こちらこそよろしくお願いします、ご主人様」
「ご、ご主人様?」
「はい、メイドですので」
何だか聞き覚えの無い呼び方に変わった。何だか背中がこそばゆい。僕自身がそう言われることに慣れていないだけかも知れないけど。
「マサトで良いです。お願いします」
「いいえ、お断りします」
僕がご主人様のはずなのに断られた。今後はリナさんにご主人様と呼ばれることになるようだった。そして特典8で全ての特典を見終え、少し休憩を取ることにした。
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