第79話 [岩井俊二エッセイ 単独PV 1,000突破記念] 1995年 映画「Love Letter」ever seen.

こちらも単独PV 1,000突破しました、「第10話 1994年 ドラマ「ルナティック・ラヴ」」。

正直何故、推しと言ったエッセイではなく、このページがブックマークされるか不思議です。これも岩井監督が違うよ判家氏でPV999回してくれたかもしれません。ここは推測です(笑。



映画「Love Letter」は初期半ばの岩井監督の名作です。何故名作かはイントロダクションの神戸の白銀の世界で、映画のカラーを作り上げては、必ずや頭から見てしまうと言う映像美に包まれています。カメラマン篠田昇さんのこの色合いが余りにも素敵で、日比谷の映画館(注.1に仕事帰りの金曜夜に3回程通いました。


ファーストインプレッション。雪が落ちるのでは無く、散るタイム感が、より一層の始まるべくの大人のファンタジーを演出しています。ここのぐっとする掴みが世界中のファンを虜にするのですが、深く考えずとも見入ってしますのが、「Love Letter」のマジックでしょうか。



物語は、もう26年も経とうかなのでネタバレ有りきで進めます。





もう何度も見すぎて、今更物語は、神戸の博子と小樽の樹の二都物語になるのですけど、何故か距離感も感じずスッと見れてしまうのですよね。二都物語にありがちな散逸さがまるで無いのですよ。


この魔法は何かと言えば、どうしてもの不思議になります。本編は何度も見てるので、そう言えば、中古で扶桑社文庫から出ていた岩井監督のデジタルコンテ「Love Letter」(注.2を積ん読のままだったなで、一気に読みました。


そう岩井監督と言えば、初期の辺りで台本がてらのコンテを役者さんに渡して演技立案を促していたみたいです。「スワロウテイル」に出演していた桃井かおりさんは、「ああ、こんな感じなのね」のニュアンスをインタビューで見たことが有ります。

今振り返るとここが肝で、役者の頭の中では、撮影現場に足繁く通わなければ、台本超えてのプランは決して見えません。ここを岩井監督は早くから可視化していたので、有りえない演技の整合性を紡ぎます。


そう、デジタルコンテ「Love Letter」を読み進める事で、ああ、女子博子女子樹のプラスマイナスであったり、秋葉の飄々さの逆引きも判読出来たり、且つ分離しがちな中学生時代の回想シーンも把握出来ます。ここ本来は登場人物は過去を全部知ってる事なのに、完成試写を見ないといざの繋がりがあるか分かりませんから、非常に重要かと思います。

尚デジタルコンテ「Love Letter」にはほぼ台詞のみで、細かいト書きは有りません。ここは欲を言えば岩井監督の書かれているト書きも、何処かの機会に読みたいものです。


あと、サラリーマン時代から常々思っていたのですが、映画「Love Letter」のディレクターズカット版をどうにか見たいなでした。ただそれも今回のデジタルコンテ「Love Letter」を読むと、ほぼ映画通りなので、そのまま発売されたであろうのデジタルコンテ「Love Letter」を信じると、これは予算越えない様に、カットされたシーンはなかろうかです。


いやそれはどうかなも、私のフラッシュバックが過ぎります。同僚が取引先の制作のROBOTさんに出入りしてたので、ついお願いしておきました。映画「Love Letter」のディレクターズカット版お願いと。ただそこは大人の事情がある様で、ほぼ無いと、漏れ聞いたところです。

いやそうでしょうね。ディレクターズカット版作ろうにも、多分デジタルコンテほぼそのままの尺で作られたあろうから、カットされたシーンはほぼ無く、パッケージのしようが無いのだろうなが、今時点での憶測では無いでしょうか。


ほぼ映画通りだったらデジタルコンテ「Love Letter」はまあいいかなになりましょうが、それはそれで、多分予算の問題で一つになったシーンを見つけたり、デジタルコンテは人物がアップ多いのでカメラマン篠田昇さんがこの色彩を撮るために引きにしたかなも垣間見えますので、映画制作志向であれば勉強にもなると思います。


いや、あとそう言えばで、映画「Last Letter」に豊川悦司さん中山美穂さん出てたな、ああでも「Love Letter」の繋がりどうだったかなと、日本映画専門チャンネルで録画しっぱなしを見返しました。

公開当時は確かに「Love Letter」のアンサーとも謳っており、まあ阪神淡路大震災撮了前から平成令和での信じがたい災厄の幾多を考えると、或いは秋葉先生も博子ちゃんもそうなるのかなが、どうしても感慨深いです。


また「Last Letter」も、過去編として同じくも高校生時代が描かれており。見る前は福山雅治と神木隆之介とが同一人物とは到底思えず、どうなのかなと止まっていましたが、見事ブレスが一致しています。この執筆進める内にそれはデジタルコンテあればこそかなと、そこはかとなく「Love Letter」の屋台骨が垣間見えてしまいます。ここは抜群ですね。



とは言え現代各所では、兎に角コンテが余りにも出来上がり過ぎて製本化されていますけど。その傾向も映像の手助けの手段を予めの様に商品化する傾向は、やはりどうなのかなが有ります。

完成され過ぎたコンテの弊害は、スタッフを縛り過ぎないかなとも思います。これは映像界全般かもしれませんが、監督視線そのままは、そのフィルムに映るべき光景を遮ってるかもしれないが、たまに過ぎります。敢えて見せて欲しいなその先の俯瞰は、一映画ファンの強欲でしょうか。






日比谷の映画館(注.1

ヘラルド・エース配映出来る日比谷の単館映画館も、どの映画館もか検索出来ません。いや本当分からないです。ただ2階前方席からの鑑賞が、音響と見やすさから後半はそこでした。



デジタルコンテ「Love Letter」(注.2

記憶では、月間カドカワ辺りで連載しており?、たまたま最終話が映画と同じだったので、まあ購入は後々で良いかなが当時の経緯です。

出版の扶桑社は当映画をプッシュしていたフジ系列なので、反響を得てか、当初の分割版権か、ここは推測しか有りません。

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