込み具合

 店で出すは茶に関する物。

 店舗によっては甘味以外、京都にちなんだ料理も出すらしい。それはそれでおいしそうな気はするが、一日中こむことになるのか?

 京乃江戸前は甘味だけ。休日でも午後にならないと満席は来ない。

 平日の開店直後から一時前はかなりのんびりできるだろう。

 近隣のオフィスの人間なら、ご飯が食べられるところに行く。

 物販もあるけれど、昼休みに来る人はあらかじめ決めている人か、何を人に送るか、自分が気になるか覗きに来た人という認識でいいか。

 物販は煎茶とフレーバードティー――煎茶に薔薇の花びら入れた物や、ぶどう香料を添加したもの――に、茶の飴、クッキーや焼き菓子、葛練りや抹茶チョコのケーキなどがある。焼き菓子だと、バウムクーヘンや抹茶のフィナンシェなど個別包装のがあるため、ぜひおやつに単品で我が店で! というアピールをしたくなる。

 カフェスペースではランチタイムとなっている開店十一時から午後二時までは、フレンチトーストの茶セットがお得。

 店内もすいているし、フレンチトースト焼くのに時間が若干かかるが、セットの茶はホットだと追加のお湯付きで実際お得感はある。

 おや、あの客?

「あの人よく来ますよ? 夏だから、帽子かぶっているから覚えやすいんですよ。あと、よくなんか書いてるから」

 アルバイトの女の子も気付いているようだ。

 つまり、常連。

 作家か? それとももどきか?

 まあどちらにせよ、すいている時間に来て立ち去るありがたい客には違いないのだ!

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