甘味と抹茶と男と女?

小道けいな

甘味と男

 神奈川某市のデパートに俺が勤めるお茶屋はある。

 京乃江戸前――どうしてこうなったのかというのはなかなか不思議だ。本社側としては、喫茶室東国進出にかけて作った名だということは社史に載っている。

 本店の名を冠してもいいけど、どうせなら東京らしさもあってよくないかということを考えたらしい。和は和でも、寿司を思い出しそうな店舗名であるが。

 違和感あるが、目を止めてしまう。それに、味が良ければきっと何度も人が来る。

 というところまで考えたかは俺の推理になる。いずれにせよ、出会った、俺とこの店。

 もともと京都・宇治ある老舗の茶屋で、茶葉販売の販売が先細りと読み、カフェを作ったのが最初だったらしい。

 カフェと言っても当初は茶を出しつつ、甘味を出していた。一言で表せば「甘味処」である。

 和菓子離れ……というより、世間には和洋中合わせて様々なスイーツと呼ばれるようになった食べ物たちがあり難しい。

 開拓および、発展は必要だと本社の人は考えたようだ。

 老舗だからというって胡坐をかかないために俺は出会えたわけだ。

 俺は江戸っ子ではないが、関東人だ。つまり、京都から出てくれないと俺は会わない。

 俺が旅行で京都に行けば、この店に行くかもしれないが、数たくさんあるうちの一店。なかなか出会いは薄いかもしれない。

 そう、店との出会いも恋愛のような物。

 俺はたまたま某市で「京乃江戸前」の支店と出会い、勤めてみようと思い、アルバイトで雇われた。

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