『ないた』


誰かが鳴いた


すると応えるように雨が降った


"泣かないで 僕が代わりに鳴くから"


そう言って雨は涙を流した


とめどなく溢れる君への想い


零れ落ちた輝く雫が


君に"生きて"と叫んでた



またどこかで誰かが鳴いた


今度は虹が産声をあげた


"やっと君に逢えたよ"と



雨が落とした粒が


虹という新たな生命を産んだんだ



「ありがとう、ありがとう」


祝福するかのように


全世界が鳴いた


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