『Cat the life』


今にも死にそうな弱々しい猫がいた

鳴く事さえ出来ず

横たわり目を閉じかけた


閉ざした眼(まなこ)の水鏡(みかがみ)に

遠い記憶を映し出す

彼の闇に只ひとつ

手を差し伸べた安らぎを


すると暖かな光が身体を包み

生きて 生きて 生きて

と囁いた

偶然なのか必然なのか

淡いブルーの瞳はうっすらと

輝きを帯びている


There is light because there is darkness

闇があるから光がある

彼の瞳の奥底に いのちの火を灯すもの

蒼い瞳の深淵に いのちの扉 開けるもの


There is light because there is darkness

闇があるから光がある

彼の生きた道筋を 優しく包む その腕(かいな)

蒼い瞳に一筋の 静かに 流(なが)る その涙


今にも死にそうな弱々しい猫は

淡い光で命吹き返した

泣いて鳴いて哭き続けた

さぁ立てその小さな命よ

今産声を上げ高らかに 力強く



There is light because there is darkness

闇があるから光がある

彼の瞳の奥底に いのちの火を灯すもの

蒼い瞳の深淵に いのちの扉 開けるもの


There is light because there is darkness

闇があるから光がある

彼の生きた道筋を 優しく包む その腕(かいな)

蒼い瞳に一筋の 静かに 流(なが)る その涙


温かな腕に抱(いだ)かれて 小さないのちが息をつく

瞼を開けた彼の目に 映る至上の愛おしさ


無慈悲な死神 溜息ひとつ

彼を置いて 立ち去った


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