しんきょく

駆使

しんきょく

 ある日のこと。

 ぺぱぷらいぶを終えた5人はある悩みを持っていました。

 ロ「お客さんがだんだん来てくれなくなったわね…」

 コ「ずっと同じことだけしかしてないからじゃないか?」

 イ「そうだろうな。」

 フ「お客さんもたいくつそうだったしね~」

 ジ「どうしたらいいんでしょうか?」

 すると、それを聞いていたマーゲイが1つ提案を出しました。

「新曲を作ればいいんじゃないかな?」

 ぺぱぷの一同は「おーっ!!」と声を上げました。

 ロ「いいわね!それ!」

 ジ「新曲だったらお客さんも驚きそうですね!」

 イ「俺たちからのサプライズだな。」


 フ「でも、どうやって作るんですか?」


 …


 6人のフレンズたちは静まりかえりました。

 ロ「そ、そうよ、はかせに頼みに行きましょう!マーゲイ、一緒に行くわよ!」




「それは無理なのです。」

「そうなのです。」

 はかせとじょしゅはあっさりと言ってしまいました。

 ロ「どうして?」

「我々は”ぱそこん”と呼ばれるものやその他の機械で音楽を流しているのです。」

「しかしその”ぱそこん”には『ようこそジャパリパークへ』と『大空ドリーマー』、『ぼくのフレンド』しか曲が残されていなかったのです。」

「つまり新しい曲が”ぱそこん”に無いため、無理だと考えたのです。」


 …


 再び6人のフレンズたちは静まりかえりました。

 ロ「…はかせありがとう。これまでいろいろ協力してくれて、でもさすがに今回のお願いは度が過ぎるものね。…みんな行きましょう。」

 重たい口ぶりで言うと、ぺぱぷたちはとしょかんから去ろうとしました。

 すると、

「待つのです。」

 はかせがぺぱぷたちを呼び止めました。

「作りようには作れるかもしれないです、が・・・」

「恐らくかなり日にちがかかると思われます。我々はまだその知識を取り入れていないので」

 コ「作れるのか?」

「作れたとしても次のライブまでには間に合わないと思われるのです。」

「そのため提案なのですが、我々が曲を完成するまでアカペラで歌うのはどうでしょう?」

「アカペラとは何なのでしょうか?」

 マーゲイが問いかける。

「曲無しで歌うことなのです。」

 フ「何だか難しそうだね。」

 曲が作れる可能性があるとわかったロイヤルペンギンが感極まったのでしょうか、

 ロ「はかせ…ありがとう。本当に感謝しても感謝しきれないくらい…本当にありがとう!」

 ロイヤルペンギンがはかせに抱きつきました。

「やめるのです…はずかしいのです。」

 ぺぱぷたちが喜んでいるのをマーゲイはほほ笑みながら言いました。

「そうすると、アカペラを歌うにはあのスペシャリストに会わなければいけないですね!」

 イ「誰だ?それ」

「あの、みなさんと共演して歌ったフレンズですよ!」




「あー!いらっしゃ~い!ようこそジャパリカフェへ!どうぞどうぞゆっくりしてって~!ねぇ何飲む?色々あるよ!これね…」

 ロ「トキさんはどこにいるか知っているかしら?」

「お客さんじゃな…」

 ジ「あ~!吐かないでください!以前かばんちゃんから聞きましたぁ~!」

 後で紅茶を飲むから!とロイヤルペンギンが言って気を取り直したアルパカが言いました。

「トキならテラスにいるよぉ~」


「あら、お久しぶりね。こんなとこまで来てどうしたのかしら?」

「トキさんに聞きたいことがあってここまで来ました。」

「あら、どんなことかしら?」

 マーゲイは今までの経緯、そして歌についてトキに聞きました。

「歌はただ、自分が好きなだけなの。でも確実にこれだけは言えることがあるわ。」

 コ「それは一体何だ?」

「私はまだ仲間を見つけたことがないの。それで仲間にあうという『強い意志』を持っているわ。そしてそれと同じくらいあいたいという『感情,気持ち』も込めて歌っているわ。」

 6人はなるほど~と思いながらトキの話を聞いていました。

「歌については自分が思ってる『感情,気持ち』,『強い意志』を持って歌えばお客さんに伝わるかもしれないわ。私はこれから用事があるからここでお別れね。」

 バイバーイと手を振って6人は飛んで小さくなっていくトキを見送りました。

 ジ「それじゃあアルパカの紅茶を頼みましょう!」




 帰る途中

 ジ「私たちはどんな『強い意志』や『感情,気持ち』で歌えばいいんだろう?」

 コ「それはあれだな」

 イ「あれだ」

 フ「あれかな~?」

 ロ「きっとあれだわ」

 ジ「私もあるわ、みんなで一緒に言ってみましょう!」

 フ「合うかな?」

 イ「合わないだろ」

 ロ「まあ取りあえずやってみる価値はあるんじゃない?」

 コ「やってみるか」

 せーのっ!


「「「楽しいー!!!」」」


 ロ「…合ったわね。」

 フ「わーすごーい!」

 ジ「やっぱり自分が『楽しい』と思わなくちゃ、お客さんも楽しめないわ!」

 イ「俺はみんながそう言うと思って『楽しい』って言ったぜ。」

 コ「イワビー、それは嘘だろ。」

 あははははと笑うぺぱぷたちを見て、やっぱり仲がいいんだなとマーゲイは思いました。


 3日後

「「「5人揃ってペパプー!!!」

 ロ「ここで重大発表があるわよ!」

 ざわつく観客。

 コ「なんと…新曲を今日歌おうと思う!!!」

 ざわめきが歓声に変わる。

 ジ「少し残念だけど、曲がありません。完成していないんです。そこで私たちは今日、私たちの歌だけで送りたいと思います!」

 イ「大丈夫だぜ。はかせたちが曲を完成したら曲もつくからこれからより楽しみが増えるぜ!」

 ロ「まだタイトルは仮なんだけど、みんながこのタイトルでいいと思ったらそのままそのタイトルにするわ!」

 フ「それじゃあいくよ~」

「「「けもの・パ・レード!!!」」」

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しんきょく 駆使 @tsllst32

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