世界滅亡計画実行委員会
@dantuzidou
第1話 世界終了のお知らせ。
木漏れ日ってどんな光なのか、、、
まあ太陽の光で木の間から漏れて届く光ってことなんだろうけど
そこは小さな小屋で藁が敷き詰まっていた。
窓から射す木漏れ日は部屋の真ん中に置いてある酒樽を照らしていた。
すっと入ってきたのは年老いた剣士だ。
腰には古びた剣と真新しい剣の二本をさして、胸にはいくつもの勲章がついている。
「お久しぶりです。岸村卿。」
「むっ、そなたは・・・」
小屋の陰からすっと現れたのはとても若い男、
すらっとした体で顔に微笑を常に携えている。
「そなた、、、誰じゃ」
「・・・私ですよ吉田です。吉田 敬です。」
「ふむ、知らんな」
「そうですか、、、」
「わしに何の用じゃ」
「まあ少し待ってください」
「全員揃うまで」
「ほうまだ来るのか」
そういって老剣士はゆっくりと腰を下ろした。
次にやってきたのは浅黒い顔色の禿げた中年の男だ
小柄で痩せていてサングラスをしている
何も言葉を発さずに二人を確認して腰を下ろした。
最後にやってきたのは髭を生やした大男
入ってきた瞬間に落ち着いた声で
「私を呼び出したのは誰かな?」
そういいながら一通の手紙を見せた
{
先日、世界は終わりました。
あなたもそう感じていると思っています。
このまがい物の世界を共に正しい形へと導きましょう。
あなたと志を同じくするものより、
}
「私です。私が皆様をお呼びしました。」
「これはこれは、今話題の吉田財閥の御曹司様の招集でござったか。」
「お見知りおきいただき光栄です。長谷様。」
「これはうれしや拙者のことを覚えていてくださりましたか。」
「もちろんです。今やこの国の行政を取り仕切っている長谷 忠保代議士を知らぬものなどおりません。かつての軍功もさることながら、政治家としての手腕に今も驚かされております。」
「いやいや、それがしなど、岸村様の足元にも及びませぬ」
「この国の建国当初から先代国王様に従って挙兵し、すべての戦いに負けなかった不敗将軍・岸村の名はもはや伝説として語り継がれ、王なき今軍事の最高責任者たる大元帥に任命される王家からも信頼の厚いこの国の大黒柱」
「ほめ過ぎでございます。菊彦王子。」
「菊彦王子!?、今は亡き国王の次男で人前には決して姿を現さないあの、、、
お初にお目にかかります。長谷にございます。」
「いいんだよ長谷、頭をあげてくれ」
「いまや王位継承権第一位のお方を前に頭など上げることなどこの男にはできますまい。」
「いや、頭をあげよ長谷。ともにこの者の話を聞こうではないか。」
皆の視線を一心に受けた吉田はまるで宴でも始めるかのような陽気さで
こう言い放った。
「皆様にお集まりいただいた理由は一つ、
この世界を滅ぼす計画にご協力いただきたいのです。」
世界に対する宣戦布告である。
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