Went、栄の未来!
星雲八号
第1話 新しい原点 1
新しい原点 1
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名古屋市瑞穂区、一人の少女が学校から帰り路を歩いていた。ロングの黒髪に際立つ小顔、抜群のスタイル。名古屋で活動中のあのアイドルグループにスカウトされたほどであった。セーラー服姿でなければ、道行く人も芸能人と思い振り向くだろう。少女は、あんまんがが大好きであった。帰り路にあるコンビニに足を向けた。そして、あんまんを買い家に足を向けた。その時、違和感を覚えた。空気に異様な重みと滑り気、危険を感じ体を後ろに向けたが、無数の黒い触手が伸びて来て体を拘束し、見たことない空間へ引きずりこまれた。少女は、息が出来なかった。多くの走馬灯を見て、自分は、もう死ぬんだと覚悟を決め始めていた。すると、息ができ、地面と思える感触の場所に倒れた。体は、無傷なようで、するすると動く、服の位置がおかしい、スカートが足下まである。袖はだらしなく垂れさがり、下着もゆるく、気持ちが悪い。髪の毛を触ってみた。長い髪の感触がある。少し安心した。周りを見渡してみた。公園のようである。砂場と地球犠のような丸い遊具、観覧車の乗るところのような遊具、あと初めて見るが名前を知っている、そうあれはシーソー。小奇麗なトイレも視野に入った。安心したので、思い切って立ってみた。スカートとパンツは、地面に落下した。あわてて下半身を隠すポーズをとるが、セーラー服で恥ずかしい所は、隠されていた。少女は、自分が小さくなっていることを自覚した。下半身を隠すポーズをとった時に何かに当たった感じを思い出した。少女は、恐る恐るセーラー服をめくる。声が出てしまった。
「何これ!おちんちん」
今度は、胸を触る。何もなくペッタンコである。急いでトイレに入り鏡を見た。髪の毛は長いが、顔も姿も別人である。トイレにしゃがみ込み自分に起こったことを整理した。最近異世界召喚の話をよく聞いていた。少年がコンビニから出ると。そこは、異世界でトカゲ顔の人やら、いろんな人種が入り混じった世界。少女であった少年は、もう一度、セーラー服めくり[あれ]を確認した。涙が溢れ出た。垂れた袖で涙を拭うと、袖をまくり、凛と立ち上がった。鞄に、スカートとパンツ、コンビニ袋をしまい小さな体で教科書やらノートやらが入った鞄を持ち隠れる所を探した。団地が幾つも立ち並ぶ様子を見ていると、一匹の黒い猫が誘うようにこちらを見ている。ついていくと、教会に着いた。少年は「こんにちは」と言って、中へ入った。牧師の奥さんらしい人が出てきた。
「あら、初めて見る子ね」
少年は、涙を流しながら。
「助けてください」
「何かあったの?」
「ここは、どこの世界なのですか?」
「何を言っているの?ここは日本で大阪よ」
「大阪!位置移動しただけなのかも」
「はい?よく見たら、変わった格好しているわね」
「これには、色々事情がありまして。そうだスマフォで親に連絡とればいいじゃない」
少年は、スマフォを取り出す。手早く操作するが、圏外、ネットも使えない。
「どうして、ここ大阪なんですよね」
「そうよ。大阪の堺市」
「堺市と言えば政令指定都市、何区ですか?」
「はい?何区?そんなのないない」
「うそ、どうして」
「お名前何というの?私は、上野ルツ」
「大須栄です」
「聞かない名前ね」
少年は、考えた異世界の並行世界なのかもしれない。この小さな体では、これからどう生きていけばいいのか、心は、死という言葉を生み出そうとしていた。
「まあ立ち話も何だから、あがって、お茶でも飲みましょう」
勧められるままに少年は、教会へあがった。質素なダイニングキッチンでお茶をいただく。ふと、あんまんを買ったのを思い出し、鞄から取り出す。
「あら!あんまん」
「あんまん知っているのですか?」
「あたりまえじゃない」
「一個どうぞ」栄はルツにわたした。
「温かいわね。買ってから時間たっていないのね」
栄は、自分の腕時計とダイニングにある時計を見た。かなり時間が違う、まだ昼の二時であった。
「あの時計あっていますか?」
「あっていますよ」
栄は、腕時計の時間とスマフォの時間を合わせた。お茶を飲んだせいか尿意を覚えた。しかし困ったことに、おしっこの出し方が解らない。でもとりあえず、トイレを借りることにした。便器に座りセーラー服をまくる。あれがやはり付いている。おしっこを出す努力したが、出ない、何が違うのか理解できない。膀胱が痛くなってきた。もう限界。栄は、ルツに助けを求めた。トイレに来たルツは、あまりの光景に驚いた。
「あなた男の子だったの!」
「違うんです、これは、あーなにがなんだか」
「うちにも、男の子いたから、大丈夫よ」
「うーおしっこの出し方がわからないのです。助けてください」
「何故!どうして?いいわまかせて、リラックスして、イメージするの膀胱から尿道を通り放尿することを」
「出ないです」
「尿道に力を入れないで、ゆっくり」
栄は、トイレをすませることに成功した。
「ありがとうございます」
「いいえ、いいのよ。あなたみたいな子は初めてだけど、大丈夫!きっと女の子になりたかったのね」
「違うんです!これは、異世界召喚で…」
「空想も好きなのね」
栄は、理解してもらえないと判断した。この世界で自分は、この体で一人生きていかないといけない。小説やアニメの異世界は、自分の願望を叶えるものが多いけど、自分の召喚は、とても過酷であると考えていた。
「ルツさん、ここに泊めていただけませんか?」
「どうして?お父さんお母さん心配するでしょ」
「私にとって、この世界は異世界なんです」
「ふー親御さんに連絡しましょうか?電話番号教えてくれますか?」
「電話なんて、無駄です。ここは、異世界なんだから」
「にゃー」
猫の鳴き声が聞こえた。栄は、玄関から顔を出した。猫は、お腹を向けてごろりとしている。栄が近づくと、舗装されていない道路に、数字を書き出した。メモ帳を取りに行き書き留めた。すると猫は、手招きして、付いてくるように、誘ってくる。栄は、ルツにお礼を言って教会を後にした。町を歩いていても、あまり人と会わない。何が原因なのかわからないが、とても空気が悪い。公園で、水を飲んだが、とてもまずかった。
猫は、ごみステーションで立ち止まり。その身を隠した。栄は、どういうことか考えた。そして、袋の一つを開けると、衣類が入っていた。あの猫がこの世界での鍵になっていると考えながら、ゴミ袋をあさる。着ることが可能な服があった。ホットパンツのようなジーンズの短パンと白い半袖のブラウス。冬なので寒いだろうと感じたが、今のセーラー服よりは、安全と感じた。最初に召喚された公園のトイレに入った。セーラー服を丁寧にたたみ鞄にしまい。たれさがったブラも鞄に入れた。ブラウスを着、ノーパンでジーンズの短パンを履く、あそこが直接あたり気持ち悪くおもわず声が出た。
「あ」
靴ひもをきつく締めなおした。幸いもともとサイズは小さいので助かった。そして、この異世界で生きていく道を探った。
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