いってきます、(仮題)
@usothuki
プロローグ
ヤクザは昔、徹底的に排除され絶滅寸前だったらしい。日本が今よりも少しマシだった頃の話だそうだ。表向き昔は今よりも労働時間も労働日数も少なかったが、そうではない例外的企業が日本を支えていたのは間違いない。昔に比べて労働時間が延びた今の日本では薬が公然化してアルコールやエナジードリンクのように使われている。まだ国は合法化はしていないが取り締まりの実態ははない。そしてそれを捌くのはヤクザの仕事だ。労働時間は伸びたが日本のGDPは先進国の中でもそれほど高くない。低くもないが先進国の中で圧倒的に生産性が低いと識者とゆう連中が指摘している。多くの人が希望を見いだせない国、それが今の日本だ。
多くのサラリーマンやキャリアウーマンは薬を買うために働いている。働くために薬を買うのは半年くらいまでだ。それを過ぎると手段と目的が入れ替わり僕らの懐を潤すATMになる。
ヤクザは人気の就職先になっている。高学歴の者にも低学歴の者にも等しく門戸を開いている。高学歴の者は稼いで組に貢献し低学歴の者は暴力で貢献した。今のところどこの組でも出世に偏りはない。学歴問わず貢献したものが出世する。貨幣経済で稼げることは重要だが裏社会の隆盛した今、ヤクザにとって暴力の重要性は大きかった。
僕はその人気の職業先で集金係をしている。
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