勇者の相棒は森のクマさん

タローラモ

1章 クマと少年

第1話 プロローグ

「ごめんなさい。好きな人ができたの」


 それは唐突にいわれた。

 正確には昨日、告白して「よろしくおねがいします」なんて真っ赤になって言われたもんだから

『よっしゃー!!!明日は初デートじゃーーーー』と気合を入れて望んだ初日にこれである。


「え???」


 間抜けな言葉を言ってしばらくフリーズしてる間に彼女はいなくなってた。




 俺はトボトボ歩いてた。すれ違う通行人が俺を見るなりギョッとして離れていくあたり顔面事情は察していただきたい。

泣くに決まってんじゃん!!!

 いみわかんねーよ!!

 周りが変に騒がしくふと気になって周りを見渡した。ものすげぇ勢いでトラックがこっちに突っ込んできた。


「はあ?」


 この日、俺は死んだ。


……


「…ん、うん?」


 目を開けると薄暗い部屋の中だった。手術室だろうか、窓の類が見当たらない。

てか倉庫か?物がごちゃごちゃ置いてある。え?どういうこと?病院にしては対応 ひどすぎね??すぐ脇に少女?が横たわっていた。

 いや、幼女か?ネコ耳はやした。

 …は!?ネコ耳??

 起き上がりよって行こうとしたら


「なんてことだい…」


 なんて聞こえたもんだからびっくりして振り返ったら婆さんがいた。

 黒いローブに杖を持って。これに三角帽子をかぶせたら立派な魔女だね。うん。


「バアちゃん誰?」


「…言葉が話せるのかい!!…それなりの知性もありそうだねぇ」


 バアちゃんは近づくとぺたぺた俺を触りはじめた。

 ってかバアちゃんデケえな!!俺が170cmあるのに軽く倍はあるんだけど…

ちょっと怖いわ。

 触られて気づいたんだがオレ毛深すぎね?耳が変なとこになくね?それ以前に…俺のシルエットどんなよ!?

 バアちゃんの横には姿鏡がありそこには俺?の姿が映ってた。

 二足歩行のテ○ィベアの姿で。まるでクマのぬいぐるみじゃねえかよ

 俺はイケメンじゃなかったよ。自称普通メンだよ。品行方正でもなかったかな。

でもさ、この仕打ち(?)は無いんじゃね?


「人ですらねえ!!!!」


 いまだ寝てるネコ耳幼女、

 唖然とする魔女風バアちゃん、

 泣き崩れるオレ(ぬいぐるみ ?)。

 

第二のオレの人生?は始まりから意味がわからなかった。





………………………………


主人公は生前は170cm でしたが、この時点で60cm程になりました。



これからよろしくお願いします。

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