モッキンバードの聲
@icomiki
プロローグ
プロローグ
「だから何よ!」
彼女は溌溂としたよく通る声でそう叫んだ。
「そうやって叫ぶと力が沸いてこない? 私はね、辛い事があるとこうやって叫ぶようにしてるの」
「でも、それじゃ根本的な解決には」
「確かに君の言う通りだ。だったら良い事を教えてあげよう」
屈んで俺に視線を合わせた彼女は琥珀色の大きな瞳で俺を捉える。
「どうしようもなく辛いときは、周りの音を聴いてみると良い。君が楽しいと思えるその音たちが、君を導いてくれるだろうからさ」
金色の髪を靡かせ、金色の音を奏でる女性は、小学四年生の俺には難しい金言を与えた。
以来、俺は周りの音に耳を傾け続け、あの音を探している。
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