リナリア

@M_N

第1話

幼馴染から恋仲に進展するというのは、現実でもフィクションでもよくあるパターンの馴れ初めだ。

小さい時からずっと一緒に過ごしていれば、特別な感情も芽生えやすいのだろう。



私、今村スミレにも幼馴染がいる。

産まれた病院が同じで、誕生日も一日違い。

幼稚園、小学校、中学生、そして現在通っている高校まで全て一緒に過ごしてきた。


そして私は、この幼馴染に対してやはり特別な感情を抱いている。



昔からずっと不思議だった。

幼馴染から恋人へと進展するのは、何故男女の幼馴染ばかりなのかと。



—私、今村スミレには幼馴染がいる。

名前は、小柴サクラ。



少しひんやりとするブレザーの袖に腕を通す。やはり朝はまだ肌寒い。

玄関の姿見で軽く前髪を整えて、少し駆け足でサクラとの待ち合わせ場所へと向かった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リナリア @M_N

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ