第26話 お食事
服屋を出た後、2人はしばらく王都の街を見て歩いていたのだがイオルが
「なぁ、腹減ったんだけど何か食べねぇ?」
昼過ぎに集合してもう日も暮れかけてきているので流石に空腹になってきたのだ。
ミレイアもイオルの気持ちが理解できたのか問いかけてきた
「そうですね。何か食べたいものでもあるんですか?」
「うーーーん」
そう言われると特に何が食べたいという物が思い付かない
「何もないんですか?」
「ミレイアは何か食べたいものとかないのか?」
考えつかなかったのでイオルはミレイアに質問する事にした
「そうですね…」
ミレイアは顎に手を当てて考えはじめた
「そう言えば最近人気が出てきたお店があるらしいんですけどそこでも良いですか?」
「そこは何の店なんだ?」
「確かお肉のお店でタレがすごく美味しいと噂ですよ」
肉の店と聞いたイオルは、先ほどよりも少し上機嫌になっていた
「ほう…じゃあそこにするか」
「では、案内しますね」
食事する場所が決まったので2人はお店に向かいはじめた。
最近人気が出てきている店だと言うのは本当らしく店の前には列が出来ていた。
「混んでるな」
「混んでますね」
2人は行列に驚きながらも最後尾に並んだ。
少し待つと店の中に通された
「おおっ⁉︎」
イオルは、店に入った途端香ってきた良い匂いに思わず声がもれた
「良い匂いにですね」
「そうだな、楽しみだ」
席について注文を済ませた2人は料理が来るのを今か今かと待っていた。
「はやく食べたいな」
「そうですね。さっきから匂いだけでお腹が空いてきました。」
そんな会話をしている間に料理が運ばれてきた
2人の前に置かれたそれぞれの鉄板の上には、分厚いステーキが置かれておりステーキの上にかけられたソースがグツグツと音を立てていた
「「いただきます」」
さっそく2人はステーキを食べた
「美味え!」
「美味しいです」
一口食べた瞬間、2人はあまりの美味しさに声が出てしまった
「このソースがすごいあってますね」
「ああ、予想以上に美味いな」
そんかやり取りをし終わると2人は黙々とステーキを食べ始めた。
「ああ〜美味かったぁ〜」
「本当にすごい美味しかったですね」
2人はステーキに満足したようで食後の会話を楽しんでいた。
「もう良い時間だしそろそろ王城に戻るか?」
日も完全に暮れて外は暗くなったのでイオルがそう提案すると
「そうですね。もう暗いですし帰りましょうか」
意見が一致したので店を出て王城への道を歩きはじめる
「どうだった?今日は楽しかったか?」
イオルがミレイアの反応を伺いながら質問する
「はい、とても楽しかったですよ。イオル様といろんな話も出来ましたしね」
ミレイアが普段はあまり見せない本当に楽しそうな笑顔でイオルに微笑みかけてきたので思わず顔が赤くなり動揺してしまった
「お、おう…なら良かった」
ミレイアを直視出来ず視線を逸らしながら答えるイオル。そんなイオルの反応を見たミレイアはさらに笑顔を深めからかうようにイオルに問いかけた
「どうしたんですかイオル様?何でこっち見ないんですか〜」
気分が高揚しているミレイアはニヤニヤしながらイオルに詰め寄る
「ち、近いってミレイア。何でもねぇからさっさと帰るぞ」
これ以上からかわれたらたまらないと思ったイオルは早足で歩きミレイアから逃げた
「待ってくださいよ、イオル様」
ミレイアも小走りでイオルを追いかけた。
その後の帰り道もミレイアは終始楽しそうな笑顔を浮かべていた。
王城に帰り自室に戻ったミレイアはベッドにダイブすると布団に包まりゴロゴロ転がっていた
「うぅ〜〜〜」
しばらく顔を隠しながらベッドの上を転がるミレイアだったが気が済んだのか仰向けの状態で天井を見ながら物思いに耽っていた
(今日は本当に楽しかったなぁ。イオル様といっぱい話せた上に洋服も似合ってるって言われて買ってもらっちゃって最高の1日だったわ)
今日1日の出来事を思い出しミレイアはしばらくベッドの上で幸せそうにニヤニヤしていた。
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